巣の入口に集結して、何やら相談中のニホンミツバチたち。言葉はなくても、ダンスや触れ合いやそれに基づく現場探索の積み重ねによって、短時間で最良の意思決定に辿り着く。人間はどこで間違ってしまったのだろう。
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。
第88回感門之盟では、講座同士を繋ぎ、感門之盟を実行し、多読アレゴリアを育てる。そんな格別の働きをした3名に新たなロール名が贈られた。文脈が泉のように湧き出る、メガネの新井あきひろ師範、手縫いの着物で周囲を驚かせた中村麻人師範、カメラマンらしく黒コーデの後藤由加里師範、いつも壇上を整えることに普請している3人が、スポットライトを浴びた瞬間だった。
色紙をしっかりと受け取る後藤結司
ロール名の由来について、林頭曰く「漢詩を作り、そこから名付けた」。
墨で書かれた色紙の裏には、由来の漢詩が詠まれていた。編集学校内では、俳句や短歌を嗜む人は多いが、漢詩まで登場するとは驚きだ。新たなロール名と漢詩には、「らしさ」と「期待」が込められている。
颯如松起籟
記如無盡風
颯として松に籟を起こすがごとく、記すこと無尽の風のごとし。
籟は、らいと読み音連れだ。
爽やかに声を上げながらも書き記し始めれば、無尽蔵の言葉がラウンジを鼓舞する。
汝聞天地兆
響而万事志
汝、天地の兆を聞き、響きて万事を志す。
イシス理数系の雄は、一から響く総和を描き動き出す。
わずかな兆しの行方を追いながら、トポスを作る。
和裁もこなす響事
松聲結銀影
星思司学舎
松聲、銀影を結び、星思、学舎を司る
編集学校の動向を写し撮り、編集学校を見えない糸で結びつける。
[守]で学ぶ型に、ルール・ロール・ツールがある。決まりごと、役割、道具を連動させて、世界を創るのだ。イシス編集学校もまたルール・ロール・ツールで出来上がっている。中でも、ロールに注目したい。役割は人を作り、組織を作るのだから。新たなロールに着替え、次に向かうのは9月20日の55[守]講座の感門之盟。編集学校を編み続ける、3人から目が離せない。
撮影/福井千裕、北條玲子
本文/北條玲子
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
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コメント
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2025-12-16
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