何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

メモリアルな50[守]に新たな記録が刻まれた。師範の加藤めぐみが用法4の解説を担当したことで、伝習座初となるグランドスラムが達成されたのだ。これまで加藤は49[守]で用法1と用法3を、50[守]第1回伝習座で用法2を真摯な眼差しを向ける師範代達に手渡してきた。
用法4は「きめる/つたえる」。用法3までに育てたイメージを 伝えていく。そこには相手や目的、ルール、メディアといった与件がある。では「きめる」とはなにか?加藤は語る。
「決める」とは、編集中であったモノの無限の可能性を中断し、ひとつのカタチを選び取る、決断することです。「仮」にでも自分の編集を中断して世に問うことで、物事は前に進んでいきます。
つたなくても思いを形にしなければ相互編集は生まれない。完璧主義や、伝わらないことに対する過度の恐れは、編集力の成長を阻む。「きめる/つたえる」には方法と共に勇気が必要なのである。加藤はこの「勇気」と九鬼周造の「いき」を対角線で繋いで見せた。
「いき」は「媚態」「意気地」「諦め」の三位一体によって成り立っています。
加藤の「きめる/つたえる」が、鋭くも穏やかに本楼とZoomに広がっていく。
「媚態」は伝えたいわかり合いたいという意志であり、モードを相手のために寄せること。「意気地」はやすやすと相手の虜になってしまうことを自分にゆるさない誇りであり、モードがコードを押しつぶしてしまうことを許さないこと。「諦め」は未練、執着をきっぱり断ち切る心構えであり、伝わらないかもしれないことを受け入れ、放した編集の行く先を世界に託すこと。この3つを兼ね備えた指南がカッコイイのである。
記念すべき50[守]のこの20 教室から、後世に受けつがれる新たな指南モードや教室運営のスタイルが生まれることを願ってやみません。
加藤のグランドスラムと共に、後々まで語られる50[守]となるべく、師範代達は「いき」な指南に向かっていく。
■「見立て」で新たな概念工事を【50守伝習座 学匠メッセージ】
■汁講は編集縁日 仲見世の先に架かる橋とは 50[守]伝習座 NEXTプランニング
■「境い目」を超える勇気【50[守]伝習座】
■「編集を人生する」に向かえ【50守伝習座】
森本康裕
編集的先達:宮本武蔵。エンジンがかかっているのか、いないのかわからない?趣味は部屋の整理で、こだわりは携帯メーカーを同じにすること?いや、見た目で侮るなかれ。瀬戸を超え続け、命がけの実利主義で休みなく編集道を走る。
うかうかしていると、足音はいつの間にか大きくなっている。かつては映画の中か夢物語かと思っていたAIが、日常にあるものとなった。 何度かの冬を経て春を迎えたAIに対し、人はどう受け止め、どう考えるのか。好奇心と探求心を […]
指南とは他力と共に新たな発見に向かうための方法です。豪徳寺が多くの観光客で賑わっていた2月22日。14名の参加者がイシス編集学校花伝所のエディットツアーに集い、編集ワークやレクチャーを通して「師範代」というロールの一端 […]
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自分の一部がロボットになり、強大なものに向かっていくかのような緊張感や高揚感を覚える。ガンダムか攻殻機動隊か。金属質で無骨なものが複数の軸を起点にしながら上下左右に動く。漫画や小説、アニメで見聞きし、イメージしていた世 […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。