2020ETS編集聖火ポスト07 編集エンジンは、「伝えたい」キモチ!(仙台)

2020/03/11(水)14:19
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 「すごい!みなさん最後までやりきりましたね!」

 インターアクターを務めた菅野祥子は、ワーク最後のプレゼンを聞き、参加者に潜んでいた編集力を感じ取った。

 

 杜の都仙台のマチナカ、イチョウ並木の広瀬通に面した仙台市市民活動サポートセンター(通称サポセン)の一室でエディットツアースペシャル仙台は開催された。

 

 

広瀬通は仙台市都心部を走る幹線道路のひとつ。ケヤキ並木で有名な定禅寺通と青葉通の間に位置している。サポセンは仙台のまちづくりや市民活動の拠点施設で、多くの人が利用する。

 

 この日のメインワークは、「東北(仙台)の伝えたいモノ・コトを、伝える」というもの。

 「自分の伝えたいことって?」

 「どうすれば伝わるんだろう?」

 ワークを進める中でいくつかの編集の型を使いながら、情報を収集し関係づけ、構造化して演出する。

 

 

 「康代さん、連想すると何が良いんですかね?」

 「それはですね、やっぱり…」

 森由佳(未知奥連弦主)と鈴木康代([守]学匠/未知奥連連長)の絶妙な掛け合いは、まるで受験生にとっての深夜ラジオ。参加者たちを導き励ます。

 

 ワークのゴールはSNSを想定した140字の短文を発表した。政宗がメタルになったり、ホヤに恋したり、広い空間に可能性を感じたり、掘り起こす共通性を見つけたり、東北のキャンペーンガールになったり…。引き込まれ、大いに頷き、改めて東北に惚れるプレゼンが出来上がった。

 

 最後に鈴木連長が今日の振り返りと編集稽古について語る。

 「ワークでもやった“地と図”。これがわかるとコミュニケーションの仕方がまったく変わります」というくだりに、参加者たちは赤べこのように首を縦に振っていた。

 

written by 菅野祥子

 

 

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

コメント

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川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。