それは、バレンタインデーの前日だった。世の女性たちはチョコレートを探すのに忙しかったのだろうか、2月13日(火)の夜に開催されたイシス編集学校の学校説明会に集まったのは珍しく男性ばかり。迎えるナビゲーターの米田奈穂師範と他の編集学校スタッフは揃って女性。そんなメンバーで、5月から始まる基本コース【守】の稽古を体験できる学校説明会の場がオンラインで開催された。
◆自分とは:
オンラインの会に集まった参加者は、米田ナビに促されて自己紹介を始めた。お題は「オカシなワタシ」。お菓子に喩えて、自分を表現してみようというものだ。
参加者の回答を一部ご紹介しよう。
・トッピング自在なすっ裸なポッキー
〜 どんな味も纏える
・激しくShakeしたコアラのマーチ〜 型に捉われず、欠けてもチョコがはみ出てもOK
・商品としては売れなかった焼きまんじゅう〜 地元の人にウケる人気のまんじゅうも外部の人には良さがわからない
・味のついていないお団子〜 甘くも塩っぱくもなる
他者からどう見られているか、という目線から、自分を「売れなかった焼きまんじゅう」としたり、自分がどうなりたいかという切り口から、型にはまらない「激しくShakeしたコアラのマーチ」としたり、視点を自在に動かす参加者の編集力の高さにスタッフから拍手が送られた。米田ナビは、それぞれの回答を引き取り、自分を何かに「見立て」るというのも、編集の方法のひとつです。と、自己紹介が編集ワークのひとつだったことを明かす。見立てることで、そのモノのらしさを借りて自分を表現すると、紹介された人の納得感も高く、その人に親しみも湧く。編集された情報は伝わりやすい。自己紹介の方法のひとつにオススメだ。
◆編集とは:
顔と名前とその人らしさがわかったところで、早速、「編集」ってなんでしょう?と米田ナビが訪ねた。「編集学校」で学ぶ「編集」とは何なのか。そこが知りたいところのはず。どんな想像と期待をしているのかを聞きたくて待ち遠しい目で参加者の回答を待つ米田ナビだが・・
「入ってきた情報を咀嚼してアウトプットすることが編集」
最初の参加者が即答すると、米田ナビの表情がパッと明るくなり、目が見開かれた。
「もう、説明は必要なさそうですね!」その通りなのだ。
更に、追うように他の参加者も次々と回答を投じる。
「広く捉えれば、考えること自体が編集である」
「インプットしなくても、そこにあるものを組み立て直す、捉え直すことも編集だろう」
書籍や動画の編集、またはプログラムの編集といった答えを想定していた米田ナビは驚きを隠しきれない。「今日、集まってくださったみなさんはすごいですね!その通りです」と、喜ぶ。まさに、インプットとアウトプットの間の咀嚼が編集なのだ。米田ナビは、準備していたスライドを投影しながら確認する。
実際には、そのインプットとアウトプットの”間”はブラックボックスになっていて、開くと4つのプロセスに分けられる。情報の収集・関係づけ・構造化・表現というプロセスの中に、編集の38個の方法が隠されているという。
編集の方法を使うことによってアウトプットの可能性が想像以上に広がる。【守】の学びとは、これを編集の「型」として身につけていく、15週間に渡る稽古の旅なのだ。
◆想像力とは:
早速、【守】のひとつの方法をワークしてみようということで、米田ナビが取り出したのは情報を「あつめる」方法のひとつである「ないものフィルター」だ。
お題は、「他人の部屋にないけれど、自分の部屋にあるものを探してきてください」
オンラインの画面の向こうで、参加者が「他人の部屋にないけれど、自分の部屋にあるもの」を探し始める様子も面白い。なにやらとても楽しそう。そう、編集は遊びでもある。
・あるイベント会場のガチャガチャで手に入れたおもちゃ
・推しアイドルのレアでマニアックなイベントポスター
・あるブランドの物だけれど、世界にひとつしかない自分のリュックサック
どれも、きっと他人の部屋にはないはずだ、と嬉しそうに説明する参加者たち。これが情報収集の方法なのだ。
「次に、自分の部屋にない物を探してみてください」という米田ナビの新しいお題に、参加者たちは速攻で応答する。
・エアコン
・6万冊の本
・守破離の貼り紙
・ベンチ、シーソー、ジャングルジム
・アンコールワット
この、「ない」というフィルターはとても大事です。と米田ナビは「ないもの探し」を語り始めた。色々な「ない」があって、何が不足しているのか、に注目すると、あるものは有限、ないものは無限に出てくることに気づく。だから、「ない」もの探しは情報収集の方法として優れている、という。部屋に「ないもの」がジャングルジムやアンコールワットなんて、、。「ないもの」探しは想像力を試される。
米田ナビの丁寧な説明であっという間に時間は過ぎ、90分の説明会は少々、時間オーバーとなったが、参加者はこの日、その他のワークを通して38の方法のうちの5つもの型に触れることができた。
実際の稽古では、教室ごとに、8〜10人のメンバーと共にテキストで師範代とお題〜回答〜指南というやりとりを繰り返す。テキストなのに、オンラインの説明会以上に密度の濃い時間と関係構築の体験ができるのが【守】のコースだ。
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◆2024年春イシス編集学校[守]基本コースが、5月13日(月)に開講します。
◎次の学校説明会はコチラからお申し込みいただけます。
◎その他にもエディットツアーなど、編集を体験できるイベントは盛りだくさん。こちらからどうぞ。
安田晶子
編集的先達:バージニア・ウルフ。会計コンサルタントでありながら、42.195教室の師範代というマラソンランナー。ワーキングマザーとして2人の男子を育てあげ、10分で弁当、30分でフルコースをつくれる特技を持つ。タイに4年滞在中、途上国支援を通じて辿り着いた「日本のジェンダー課題」は人生のテーマ。
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