桜前線がさしかかり、マスク着用の緩和を翌日に控えた3月12日。
49[破]学衆と指導陣総勢22名がオンラインの窓に顔を並べた。その名も「花けはふ窓展」。クロニクル編集術の番外稽古「全然アートなわたし」の回答を持ち寄り、教室を越えた汁講が開かれたのだ。
自分史をビジュアル化して一枚に図示するこのお題は、クロニクル編集術のグラフィック版。期日までに回答した学衆は、この特別汁講で、グラフィックデザイナーの野嶋真帆番匠の指南を受けられる。稽古の日々が恋しい学衆と師範代はにわかに奮起。告知からわずか10日にもかかわらず、締切日には11名がエントリーした。
グラフィックが画面に映し出され、参加者は緊張の面持ちでプレゼンテーションする。「テキストではあまり出さなかった家族をテーマにした」という藍染め発する教室学衆の武内一弘は、スキャンした自身の足裏を年表に見立て、同教室学衆の梁島綾乃は「お題を読んだ時に頭の中にタイトルと画が浮かんだ」とアナロジーを糸口に、物語構造のビジュアルに仕立てた。臨刊アフロール教室学衆の渡邉裕子は「新聞でみた『檜原図』という水墨画の構図を真似した」と、自分史イメージを三本の檜木にトラック分けした。
肖ったモチーフや構図、方法やツール、自分にとっての「事件」などがそれぞれに紐解かれる。それらに対し、原田淳子学匠や白川雅敏師範らが興味津々に深堀り。対話をかさねるうちに、伏せられていたクロニクルが顔を出し、トポスにまつわる出来事が明かされる。テキストからグラフィックにすることで自分史に別様の見方が生まれ、思いも寄らないテーマに遭遇するのは、紛れもなく[破]稽古の真髄である。
全作品を講評した野嶋番匠は「色々な違う視点のことを一つの画面で出来るのがビジュアルクロニクルの特徴」として、年代をつける、点と点をつなぐ、色でそろえる、アソビを入れる、という少しの工夫で面白くなる。とコツを伝授し、ビジュアルメディアの視点で作品の見どころを花咲かせた。
最後に「花けはふ窓展」限定の作品賞が贈られた。
◆神花賞:登田信枝
(唐傘ダムダム教室)
◆妙花賞:渡邉裕子(臨刊アフロール教室)
◆能花賞:梁島綾乃(藍染発する教室)
◆逸花賞:菅原誠一(臨刊アフロール教室)
武内一弘(藍染発する教室)
「自分史をグラフィックにして自己紹介しているなんて世界広しといえど、ここだけという気がしますね」と、原田学匠が誇るこのお題は、48[破]で始まり、49[破]では開講前に師範代も取り組んでいた。メディアが変われば多様なわたしが動き出す。「全然アートなわたし」は、50[破]でも、エディトリアリティの律動を待っている。
◆神花賞:登田信枝
アントワーヌ・カロンの「アモルの葬列」が元絵。クリアファイルをかさね、その上からポスカで描く。行列するキューピッドの旗を年表に、出来事や千夜千冊、読んだ本などキーアイテムを隅々に配置。部分が全体を凌駕する。キーイヤーはイシス入門の2022年。
1984年 下校途中に後方からの車にあて逃げされるが、幸い軽症。
2002年 この頃からイッセイミヤケ・プリーツプリーズの服を着始める。
天野陽子
編集的先達:寺山修司。公共図書館長にして短歌会の歌人。師範代から即破師範へ。初師範時には別院でうたよび企画を展開した。言葉のアンテナを立て、日夜若者言葉からの新たなオノマトペの収集に勤しむ天然詩人でもある。
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