豪徳寺の雨は、師範代の涙である。
9月4日(土)13時、東京パラリンピックの閉幕を目前に、第77回感門之盟がスタートした。2日間に渡るプログラムは、青空にブルーインパルスがISISと描く清々しい映像から始まった。
「菅政権が終わっても、コロナが終わらなくても、私たちはダンゼンな方法で束になりたい」
佐々木千佳(局長)は、井寸房で語りかける。
オープニング映像では、豪徳寺駅からISIS館までの徒歩10分程度の道のりがプレイバックされた。パン屋や和菓子屋を冷やかしながら歩行者視点でゆらめく映像で、自宅にいる学衆や師範代も、注意のカーソルは本楼に集まった。「来ている”つもり”が、”ほんと”になって」と佐々木は重ねる。
「ダンゼンとは、いままで見たものがないもの。だからあっという間に取り逃してしまう。この感門は、そんなダンゼンを取り逃がさないようにするものに」とDAN ZEN ISISな2日間への願いを込めた。
▲佐々木千佳(局長)が、母の帯を締めて井寸房ではんなりお出迎え。にじり口をくぐって本棚劇場に招いたのは、司会の2人。
▲司会は嶋本昌子・川野貴志(左から)。校長のおヒゲファンであり、「泣き虫師範代」の異名をとる嶋本は、はやくもオープニング映像で涙腺が緩む。「イシスの師範舐めんなよ」なる名言を放った至宝たる川野が、座を引き締める。
▲「あと何回、感門之盟に立ち会えるか」 酸素吸入器を仕事場にも置きながら、肺がん手術あけの身体をおして参加する感門は「格別」と切り出した。
松岡は、障害に応じて細かくルールを決めるパラリンピックを引きながら、「我々はもともと断点をたくさん持っている。しかしわざわざその断点を潰して、一律なものにしてしまった。ダンゼンイシスというのは、その断点を掘り返して、つなげ直していくこと」とダンゼンへのダントツなダンドリを提示した。
▲セイゴオダルマが全国を見守る。校長も絶賛するデザイナー穂積晴明による仕事。穂積は医師の指導により、最近は蕎麦食のみ。
▲豪徳寺は今日も雨
写真:上杉公志、梅澤奈央
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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