自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
しばしの沈黙だった。
44[守]第1回の伝習座を欠席した師範代・圓尾友理。4日後にスカイプで伝習座のフォローを受けた際、師範の景山和浩から「なぜ師範代を目指そうと思ったのか」聞かれた時のことだ。
少しもじもじした表情で、圓尾は言葉を選ぶように語り始めた。
「学衆のとき、浦澤師範代の声が届くのが楽しみでした。言葉でわくわくさせる師範代てすごいと思いました。浦澤師範代と同じところに立ちたくて、師範代を目指しました」
浦澤師範代とは、41[守]とびしまアストラル教室の師範代だった浦澤美穂のこと。編集への興味はある。でも、それ以上に応援するように言葉をかけてくれた浦澤へのあこがれがあった。それが圓尾のエンジンとなり、2019年10月開講の44[守]でついに師範代デビューを果たした。
開講前、師範詰所に届いた浦澤からのエールに、圓尾は明るく答えた。「いただいた楽しさを次に引き継げるように学衆さんと一緒にファインダーを覗きます!」
教室名は「AIファインダー教室」。8人の学衆との稽古を溌溂とつづける圓尾にも、きっと浦澤と同じ景色が見える日が来るだろう。

感門之盟で校長からもらった「美穂゚りん」の書を掲げる浦澤師範。通称ミポリン。
景山和浩
編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。
「一人も入ってこないかもしれない」。 ゆうこ師範代がつぶやいた。7月8日、19時半。汁講の開始まで30分を切った頃だった。イシス編集学校の田中優子学長は、55[守]酒上夕魚斎教室の師範代の顔も持つ。教室 […]
「世界と自分についての見方」を劇的に変えよーー54[守]開講
開講メッセージ『いざ、いまこそのインタースコアを!』が、全20教室に届けられた。2024年10月28日正午。これまで松岡正剛校長の筆だったが、今期から田中優子学長からとなった。松岡校長の思いを受け継ぐタイトルは以前のま […]
普通の自己紹介では始まらない。なにしろ近畿大学×イシス編集学校のタッグ。挨拶代わりにお題が出る。「部屋にあるとっておきの3つをあげてください」。53[守]開講日恒例の交流会は、一風変わった自己紹介から始まった。少しだけ […]
近大生、いざ番ボー!ー52[守]近大景山組ドキュメント(3)
守護神の如くいつだって[守]稽古の現場に張っているのが52[守]で番匠を務める景山和浩だ。秘めたる涙もろさと機を逃さぬ俊敏さを武器に、近大生の編集稽古ドキュメントを連載し、エディストを席巻しようと目論んでいる。第3回 […]
近大生 うなぎのぼりの回答を!-52[守]景山組ドキュメント(2)
守護神の如くいつだって[守]稽古の現場に張っているのが52[守]で番匠を務める景山和浩だ。秘めたる涙もろさと機を逃さぬ俊敏さを武器に、近大生の編集稽古ドキュメントを連載し、エディストを席巻しようと目論んでいる。第2回は […]
コメント
1~3件/3件
2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。