並べると恋も思考も動き出す ―― 48[守]「みちの本棚」三冊つなぎ

2022/02/27(日)08:16
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 みちは、路、道、未知である。48[守]別院の横丁に「みちの本棚」が出現した。棚におさまっているのは50冊、どれも横丁の住人たちの「つんどく本」だ。
 つんどく本は、ただ積まれていたわけではない。運命とも思えた出会いの記憶、いつも見つめられている感覚、読みたいのに近づけないもやもや… 互いの気配の交感はつねに行われていた。

 そこで、「本は3冊の並びでつながっている」という原理を用いて、3冊セットでコーナーをつくる三冊つなぎを募集。14セットが寄せられた。

 トップの画像は点閃クレー教室のKさんによる三冊つなぎ。「ヒトのイメージの力を感じたい時があります」とのひとこととともに届いた。
 「つんどく本」の持ち込み者による「読んだつもりの本紹介」とともにご紹介しよう。

 タイトル:脳に突き刺した鉛筆から生まれる

 『想像ラジオ』いとうせいこう/じきじき編調教室Mさん「きっとザワザワする本です」
 『島とクジラと女をめぐる断片』アントニオ・タブッキ/師範Sさん「きっと運命を変えられてしまう旅に憧れてしまうような本です」
 『カフカ式練習帳』保坂和志/番匠Sさん「きっと不条理な世界も楽しめるような本です」


 三冊並べることで本が持つ意味が引き出される。隣に並ぶ本が変われば違う香りが立つ。本との再会も並べることで始まるのだ。

 

 

●本との再会「多読ジムSeason10春」 
2022年4月11日(月)スタート

 

●基本コース[守]2022春
2022年4月25日(月)開講 

  • 石井梨香

    編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。

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