発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

第79回感門之盟で、49[守]を終えた師範代19名に「先達文庫」が授与された。編集学校では一期を全うした師範代に、松岡校長が自ら本を選んで贈る。師範が師範代をねぎらう感門表を授与し、先達文庫を託された鈴木康代学匠が、師範代を称えながら一冊一冊手渡していく。
◆相部礼子師範代 (忖度しないわ教室)
『本の本』 (斎藤 美奈子/ちくま文庫)
◆齋藤彬人師範代 (赤いランドセル教室)
『太陽の帝国』 (J・G・バラード/創元SF文庫)
◆寺田悠人師範代 (アニマ臨風教室)
『人間は、いちばん変な動物である~世界の見方が変わる生物学講義』 (日髙 敏隆/ヤマケイ文庫)
◆滝沢章師範代 (切実ゲノム教室)
『やわらかな遺伝子』 (マット・リドレー(著/文), 中村 桂子(翻訳), 斉藤 隆央(翻訳)/早川書房)
◆宮坂由香師範代 (感応おにぎり教室)
『ひと・ヒト・人 ――井上ひさしベストエッセイ続』 (井上 ユリ (編集), 井上 ひさし (著)/ちくま文庫)
◆野住智恵子師範代 (男装いとをかし教室)
『鶴川日記』 (白洲正子/PHP文芸文庫)
◆古谷奈々師範代 (にじゆら発色教室)
『琉球の富』 (柳 宗悦/ちくま学芸文庫)
◆小松原一樹師範代 (八段プラモデル教室)
『可愛い黒い幽霊』 (宮沢賢治/平凡社ライブラリー)
◆西村宣久師範代 (ニシダ鳥肌教室)
『西田幾多郎の憂鬱』 (小林 敏明/岩波現代文庫)
◆船山一樹師範代 (三叉毘沙門教室)
『芭蕉入門』 (幸田 露伴/講談社文芸文庫)
◆森重実師範代 (配線うなる教室)
『寡黙なる巨人』 (多田 富雄/集英社文庫)
◆三津田惠子師範代 (かく書く然り教室)
『ベートーヴェンの生涯 』 (ロマン・ロラン/岩波文庫)
◆三浦純子師範代 (ピッピ乱反射教室)
『終戦日記一九四五』 (エーリヒ・ケストナー/岩波文庫)
◆福井千裕師範代 (きざし旬然教室)
『渡りの足跡』 (梨木 香歩/新潮文庫)
◆安田晶子師範代 (キジトラ疾走教室)
『ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと』 (ミヒャエル・エンデ/岩波現代文庫)
◆古澤正三師範代 (脱皮ザリガニ教室)
『カラハリが呼んでいる』 (マーク・オーエンズ, ディーリア・オーエンズ他/ハヤカワ文庫NF)
◆辻井貴之師範代 (渇望ネオモード教室)
『いい感じの石ころを拾いに』 (宮田 珠己/中公文庫)
◆総山健太師範代 (ライ8反攻教室)
『先生と私』 (佐藤 優/幻冬舎文庫)
◆大塚信子師範代 (唐傘さしていく教室)
『月と幻想科学』 (荒俣 宏,松岡 正剛 (著), 岡和田 晃 (解説)/立東舎文庫)
「松岡校長が選ぶ一冊は師範代をひき上げてくれる格別の一冊です」と語る鈴木康代学匠(左)。千夜千冊にもなっている『やわらかな遺伝子』が贈られ、滝沢章師範代も思わず表情をほころばせる(右)
校長、松岡正剛。「(『やわらかい遺伝子』著者の)マット・リドレーは、世界で一番のサイエンスライター」など、言葉でも師範代一人ひとりをひきあげるメッセージを贈っていた。
ご卒門された皆様、おめでとうございました。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。