発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

日本にちりばめられた師範代が本楼にむかって移動中、物語のようです。とは、11月26日(土)朝の白川雅敏師範の言葉である。セイゴオ知文術課題本『地球にちりばめられて』の多彩な登場人物たちが、いろんな国からアルルに大集合したことに準えている。13:00、ついに念願の49[破]全員集合が実現した。10人の師範代が北海道、栃木、長野、関西各地、首都圏各所からやってきた。師範、番匠、評匠、学匠も揃っている。それだけで何かを達成した気分になるくらい、久しぶりのことだった。
コロナ禍でリモート開催・リモート併用を余儀なくされつづけた伝習座は、すでに11回を数える。でもこれが本来なのだ。昼から夜まで、ブビンガの周りに集まって、新たな方法の束を受け取り、互いの表情を見ながら問感応答返を交わし続ける。横顔や後ろ姿、声と姿勢、服装とノート、お菓子に雑談、そんな超部分からも相互編集は起こっている。師範代がここまで約2カ月の手ごたえを語り、師範のアドバイスをもらう。野嶋真帆番匠による物語編集術のレクチャーが始まる頃に、松岡校長がゆったりと登場した。
「書く冒険と読む冒険のための物語編集術」と題した講義に、校長が折々「それはね」「もっというとね」と奥義を重ねる。物語編集術のためのワークや、プランニング編集術のためのディスカッションで、師範代と師範に番匠も評匠も入り混じって膝詰めでQ&Eする。いっときも休まず編集を回し続ける一日であった。すべてのプログラムを終えたあとの振り返りでは、自らぐんと遠いターゲットを設定しなおす師範代の発言がつづく。校長から個別にディレクションが飛ぶこともあり、まさに格別であって本来である伝習座となった。
校長からのアドバイスは、いつもタイムリーに世界とつながっている。サッカーW杯初戦で、大胆なメンバーチェンジによって金星をあげた日本代表にあやかって、「自分の中でメンバーチェンジせよ!」。師範代の自己イメージを一瞬で書き換えた。師範代たちは「たくさんの私」のオーダーを入れ替えて後半戦に臨むことだろう。伝習座で集まったお互いの面影もしっかりメンバー入りして待機している。
スチール写真:森本研二
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
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コメント
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。