イシス編集学校のあれやこれやが一冊となった『インタースコア』(春秋社)、ここに次のような一節がある。
現・ISIS花伝所長で当時学衆だった田中晶子は、自分のためだけに特別な本が贈られることにびっくりし、届いた『ラファエル前派の夢』を1日で読みきった。本を贈り相互に読みあうイシス独特の「共読」の文化は、先達文庫から生まれたものだった。
第83回感門之盟「EDIT TIDE」Day2(2024.3.17)、第51期[破]応用コースの師範代に先達文庫が手渡された。[守]基本コースの師範代には1冊だが、[破]では2冊。松岡正剛校長・木村久美子月匠・原田淳子学匠による選りすぐりの贈り物である。
◆南田桂吾 師範代(類児・創児教室)
『スケール(上)』(ジョフリー・ウェスト/ハヤカワNF)
『スケール(下)』(ジョフリー・ウェスト/ハヤカワNF)
◆妹尾高嗣 師範代(平蔵ひたすら教室)
『禅と日本文化』(鈴木大拙 碧海寿広/角川ソフィア文庫)
『禅と自然』 (唐木順三/法蔵館文庫)
◆黒田領太 師範代(くればミネルバ教室)
『ダンデ『神曲』講義(上)』(平川祐弘/河出文庫)
『ダンデ『神曲』講義(下)』(平川祐弘/河出文庫)
◆一倉広美 師範代(マラルメ五七五教室)
『茨木のり子詩集』(谷川俊太郎選/岩波文庫)
『言の葉さやげ』(茨木のり子/河出文庫)
◆紀平尚子 師範代(アスロン・ショーコ教室)
『極夜行』(角幡唯介/文春文庫)
『極夜行前』(角幡唯介/文春文庫)
◆山崎智章 師範代(トークン森々教室)
『なめらかな社会とその敵』(鈴木健/ちくま学芸文庫)
『じゅうぶん豊かで、貧しい社会』(ロバート・スキデルスキー&エドワード・スキデルスキー/ちくま学芸文庫)
◆本間裕 師範代(ホンロー太夫教室)
『中世の非人と遊女』(網野善彦/講談社学術文庫)
『米・百姓・天皇』(網野善彦・石井進/ちくま学芸文庫)
◆新垣香子 師範代(カタルトシズル教室)
『読書からはじまる』(長田弘/ちくま文庫)
『すべてきみに宛てた手紙』(長田弘/ちくま文庫)
◆森下揚平 師範代(マジカル配列教室)
『遺伝子(上)』(シッダールタ・ムカジー/ハヤカワNF)
『遺伝子(下)』(シッダールタ・ムカジー/ハヤカワNF)
◆西宮牧人 師範代(カンテ・ギターラ教室)
『アルハンブラ物語』(W・アーヴィング/光文社古典新訳文庫)
『セルバンテス』(ポケットマスターピース/集英社ヘリテージシリーズ)
アイキャッチ・ビジュアルデザイン:穂積晴明
あわせて20冊の本と、それを迎える師範代たちの手。ここから共読の水紋が広がっていく――。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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