連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。

戦後、79年。私たちは「戦争の後」を生きていながら、気づかないうちに「次なる戦中」に生きているのかもしれない。7月の「『情報の歴史21』を読む」イベントは、外交ジャーナリスト・作家の手嶋龍一さんをゲストにお迎えします。
戦争はいつ始まるのか
「21世紀は同時多発テロで幕を開けたが、4半世紀が経って気づいてみれば、ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争に加えて、台湾海峡と朝鮮半島からも有事の足音が響き、“戦争の世紀”の様相を濃くしている。」
今回のイベントに向けて、手嶋さんが寄せてくださった言葉です。
私たちが生きるいまこの瞬間は、「戦争の世紀」のまっただなかである。そう言う手嶋さんは、「現代の戦争」のはじまりを問いなおし、「戦争の世紀」を捉えなおす必要があると強調します。
「歴史年表は、真珠湾の奇襲で太平洋戦争の火蓋が切られたと記している。だが、対中戦争は満州事変で始まり、対ロ戦争は張湖峰とノモンハンの戦役を起点にしている。その意味では、昭和期を貫いて続いた“アジア・太平洋戦争”として捉えるべきだろう。
そのような視点で現代史を眺めれば、ウクライナ戦争は、ロシア軍による2014年のクリミヤ攻略を起点とすべきだろう。そしてロシア・ウクライナの対立は2008年のNATO首脳会議が発火点となっている。
本講演では『情報の歴史 21』をテキストにしながら、現代の戦争を従来とは異なる視座から捉え直してみたい。」
「日本初のインテリジェンス小説」著者として知られる手嶋龍一さん。『ウルトラ・ダラー』、『スギハラ・サバイバル』、『鳴かずのカッコウ』、『武漢コンフィデンシャル』(いすれも小学館刊)など、著作も多数。
インテリジェンスの「業」とは
「『情報の歴史21』を読む」では、さらにもう一歩踏み込んで、「インテリジェンスとは何か」も考えていきます。
「帝国海軍の真珠湾奇襲は、なぜ劇的に成功したのか。
ルーズベルト政権と米陸海軍は、日本の奇襲をどうして察知できなかったのか。
そこにはインテリジェンスの本質がはしなくも顔を覗かせている。
“思い込み“という名のノイズによって、危機を告げるシグナルがかき消されてしまった経緯を具体的に検証してみたい。」
「戦争の世紀」を問い直すお題
手嶋さんから「『情報の歴史21』を読む」参加者の皆様への「お題」は、こちら。
「皆さんが昭和初期に成人期を迎えたと想定してください。あなたは日本がいつの時点で対外戦争に突入したと考えるでしょうか。その根拠を具体的に論じてください。」
イベント当日は、参加者のみなさまにもこの問いに答えていただきながら、交わし合いを通じて「戦争の世紀」を考えます。私たち自身の「歴史的現在」を根底から捉えなおす一夜です。ぜひふるってご参加ください。
<ISIS FESTA スペシャル『情報の歴史21』を読む 第15弾 手嶋龍一編>
■日時:2024年7月23日(火)19:30〜22:00
■参加費:リアル参加4,000円(税込4,400円)
オンライン3,000円(税込3,300円)
■会場:リアル参加:本楼(世田谷区豪徳寺)
オンライン参加:お申し込みの方にZOOM アクセスをお送りします。
※リアル参加もしくはオンライン参加のどちらかをご選択いただけます。
■定員:リアル参加につきましては先着20名となります。
■参加資格:どなたでもご参加いただけます。
■参加特典:お申込者限定のアーカイブ動画あり(視聴期間:1カ月程度)
■申込締切日:2024年7月22日(月) 12:00まで
■お問い合わせ:front_es@eel.co.jp
*『情報の歴史21』(書籍orPDF)をお持ちの方はご持参ください。
▶︎▶︎▶︎参加お申し込みはこちらから◀︎◀︎◀︎
<手嶋龍一さんプロフィール>
慶應義塾大学経済学部を卒業後、1974年にNHKに入局し、政治部記者として官邸、外務省で外交・安全保障政策を担当。87年からワシントン特派員としてホワイトハウス・国務省・国防総省を担当。89年暮れにはマルタ島の米ソ首脳会談を取材し東西冷戦の終焉に立ち合う。翌90年には湾岸危機・戦争の取材で最前線へ。94年からハーバード大学CFIA・国際問題研究所に招聘されフェローに。その後、NHKドイツ支局長を経て、97年からワシントン支局長を8年間にわたって務める。この間、2001年の同時多発テロ事件に遭遇し11日間連続の昼夜中継、それに続くイラン戦争の報道を担う。2005年にNHKから独立し、「日本初のインテリジェンス小説」と評される『ウルトラ・ダラー』(新潮社)を発表。姉妹篇の『スギハラ・サバイバル』と共に50万部を超すベストセラーに。『たそがれゆく日米同盟』『外交敗戦』『ブラックスワン降臨』、『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』(マガジンハウス)、『鳴かずのカッコウ』(小学館)など著書多数。2022年7月には中国革命の地から発したパンデミックと米国の生物兵器基地との密やかな関係を描いた『武漢コンフィデンシャル』(小学館)を上梓。佐藤優氏との対論シリーズも好評を博しており、近著に『公安調査庁』『ウクライナ戦争の嘘』がある。2024年4月には最新刊『イスラエル戦争の嘘』(中公新書ラクレ)を出版した。外交・安全保障・インテリジェンスを中心に新聞・雑誌のコラムニストとしても健筆を揮う。慶應義塾大学・大学院の教授として2019年までインテリジェンス戦略論を担当。現在、国立京都国際会館の評議員を務める。
アイキャッチデザイン:穂積晴明
山本春奈
編集的先達:レオ・レオーニ。舌足らずな清潔派にして、万能の編集ガール。定評ある卓抜な要約力と観察力、語学力だけではなく、好奇心溢れる眼で小動物のごとくフロアで機敏な動きも見せる。趣味は温泉採掘とパクチーベランダ菜園。愛称は「はるにゃん」。
【プレスリリース】佐藤優が直伝、激動時代に生き残るための「情報のつかみ方」と「世界の読み方」。「インテリジェンス✖️編集工学」を身につけるプログラムを開催します。
混迷時代を生き抜くために、「インテリジェンス✖️編集工学」が必要だ。 この夏、作家・元外務省主任分析官の佐藤優さんと編集工学研究所のコラボ講義が目白押しです。 6月30日(月)に編集工学研究所から配信したプレスリリースを […]
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コメント
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2025-07-02
連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。