すっぴんGallery フィンランド、台湾、大地真央

2020/05/30(土)11:26
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 ずっと家にいると、雲行きや気温などの外気の状況を察知して、自分の体調に気付き気を整える。そもそも本来の人間らしさだと思うが、エアコンで温度管理されたオフィスのガラス箱の中でブラインドを閉め、均質な照明の下で閉じ籠っていたことを考えると随分不自然な状況を身体に課していたのだと気づく。ただ、それが当たり前の日常できちんとネクタイを締め、振る舞いを律するというモードは社会ルールとして確かにある。仕方のないことだ。

 

 先日養老孟司さんがNHKの番組で発言されていた。

 

「そもそもコロナウィルスは自然現象であり、何も今始まったことではない。人間の行動が悪い、人間は身体が気持ちよいと思うことをすればいい。」

 

 ラッシュアワーに電車に乗り、長い会議中座り続け、接待でお客さんにお酌をする、となればそれはストレスそのものであり、今のコロナ禍中、すべてNGが出たものである。しかし養老先生のおっしゃるように、気持ちよいように、虫のように生きていたら、「おまえは馬鹿か」と言われてしまう。いや、本当のバカの壁はどこにあるのか、、、ということだ。

 

 現在、私はスタッフ5名とリモートワークで仕事を進めている。業務推進だけでなく、日々の気づきをリレーして、コロナショック後に起こる新しい日常が、未来の企画にどうつながるか、意識を未来に向けるためのものである。私の気づきを投げかけ、それに続くようにスタッフからの気づきが対話となり繋がる様子は、編集学校の教室内で交わされていたログのような雰囲気になっている。

 

 例えば、スタッフから、ライブハウスや公演が自粛を続ける中、全ての作業を在宅で行い、新曲を作るという試みを行ったグループ、また映画監督やTVが配信するリモートドラマに、新しいクリエーションの可能性を感じるというものがあった。

 

 以下は私の返し。

 “どこにいても、だれでも、いつでも、繋がりを持つことが出来、発信出来るボーダレスな世界がコロナ禍の中で広がっているということですね。

 

 ボーダレスで思い起こされるのはフィンランドに誕生したサンナ・マリン首相です。彼女は首相就任会見で

 「社会的格差をなくすこと、皆が平等に扱われること、教育を受けられること、環境の保護や気候変動問題に取り組むこと、ウェルビーイングな社会であること。それが私たちの目指す社会の姿です」

 と声明を出しました。写真はその時の様子で、主要閣僚全てが女性、しかも一列一直線に並び、力強いメッセージでした。

 

 その後のコロナショックへの国策を発表した3月17日にも同じスタイルで、厚生労働担当大臣他、主要閣僚はすべて女性、しかも身障者の方に向けての手話通訳者もすべて女性で横に一列にならび、現状事実を数値を交えてプロフェッショナルに、国民に向けて力強く伝えたのだそうです。現在フィンランドは、人口552万人に対し死者は、218人にとどまり、国民からはその対策が評価され87%の支持率を得ているそうです。フィンランドをはじめ、世界的に女性のリーダーシップが評価されつつある中でコロナ後の価値観の変化について希望を話す人も出て来たように思いますが、どうしても抜け出せない女性の社会進出や平等に於いては、ダイナミックな意識の変革は必須で、このような曇りの日には、ついあきらめのため息が出てしまうのですが、友人によい記事を送ってもらいました。

 

 台湾の女性リーダーシップについての記事です。

 

 「女性がリーダーになれる国では、伝統的なジェンダーや慣習よりも実力や新しい発想が重んじられ、マイノリティーが重視され、柔軟に社会が変わってきた」

また、「生活者が抱えている恐怖や困難へ寄り添う想像力」が女性リーダーによって発揮されているのではないか、、ということです。

 

 今後はジェンダー教育も普通になって、社会平等が当たり前の、あたらしい日常は目の前なのかもしれません。

 環境問題にしても大きく地球連帯が必須な中で、勝ち残ることや制することよりも、想像力や愛情で共感できる人間性が今こそ求められるのではないかと思います。

 

 アイフルのCMで女将(おかみさん)の大地真央が

「そこに愛はあるんか?」と問いただしますが、いまこそ、多くの直面する事象に

「そこに愛はあるんか?」と言いたい、、、、。(笑) 岡部

 

こんな感じ。リモート中のちょっとしたブレイクである。

  • 岡部 三知代すっぴんロケット

    編集的先達:トーヴェ・ヤンソン。師範代時代は小さい子どもをかかえ、設計担当として建築現場をヘルメットをかぶりながら駆け巡り、編集稽古をポリロールした。ギャラリーの立ち上げをまかされ、奔走し、学芸員となって、メセナアワード2014を受賞。その企画運営は編集学校で学んだ編集力が遺憾なく発揮されている。

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