木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。
「5W1H」という基本の基本ではじまった[破]の稽古。1か月後にはアワードに向けて文章を何度も推敲し、磨き上げるまでに熱を帯びる。本日5月11日、54[破]第1回アリスとテレス賞のエントリーが締め切られた。セイゴオ知文術というお題で競い合う。読書は交際である、という松岡校長の言葉にならい、一冊の本とじっくり付き合い、800字で彼を紹介する文章を書く。
10教室・学衆71名中、エントリーしたのは63名。なんと5教室が全員エントリーを果たした。はばたけ御伽衆教室、カオスの縁子さん教室、讃岐兄弟社教室、うごめきDD教室、風土粋粋教室、おめでとう!! 選評委員([破]の師範、番匠、評匠、学匠)は、全員が全エントリー創文を読んで選評する。結果発表は月末。エントリー作品すべてに講評が贈られる。
課題本は前期と同じく、以下のラインナップだ。ISIS co-missionメンバーが選んだ本、[破]ボードが選んだ本と松岡校長の著作、あわせて12冊のなかから学衆は1冊を選び、読み、創文した。
54[破]の学衆にはどの本が人気だったか?
<セイゴオ知文術・課題本一覧>
左は、選んでくださったISIS co-missionメンバーのお名前。
右端に取り組んだ学衆の人数。( )内は前回53[破]で取り組んだ学衆の人数
津田一郎さん:『精神指導の規則』ルネ・デカルト 1名(3)
宇川直宏さん:『音楽が未来を連れてくる』榎本幹朗 3名(5)
鈴木健さん :『知恵の樹』H・マトゥラーナ、F・バレーラ 4名(6)
今福龍太さん:『続審問』J.L.ボルヘス 4名(1)
田中優子学長:『苦海浄土』石牟礼道子 6名(8)
井上麻矢さん:『表裏源内蛙合戦』井上ひさし 5名(0)
武邑光裕さん:『仕事としての学問 仕事としての政治』マックス・ウェーバー 3名(1)
大澤真幸さん:『自我の起原』真木悠介 5名(7)
鈴木康代さん:『エストニア紀行』梨木香歩 11名(13)
松岡校長本 :『ルナティックス』 2名(3)
破ボード選定:『ビリジアン』柴崎友香 8名(5)
破ボード選定:『すべての、白いものたちの』ハン・ガン 11名(7)
ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンの『すべての、白いものたちの』、そして大河ドラマで注目された平賀源内を扱った『表裏源内蛙合戦』の伸びが目立つ。世の中で話題になっているものには、いろんなイメージがくっついている。その既知をとっかかりに読み始めた本で、既知をひっくりかえす驚きがあったか? あるといいなあ、と願いつつ、選評会議に臨む。
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
『ありごめ』が席巻!新課題本で臨んだセイゴオ知文術【55破】第1回アリスとテレス賞エントリー
開講から1か月、学衆たちは「5W1H+DO」にはじまり、「いじりみよ」「5つのカメラ」など、イシス人の刀ともいうべき文体編集術を稽古してきた。その成果を詰め込んで、1冊の本を紹介するのが仕上げのお題「セイゴオ知文術」だ […]
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師範代はつねに新人ばかりというのが、編集学校がほかの学校とすごーく違っている特徴である。それなのに、55[破]は再登板するベテランのほうが多いという珍しいことになった。9月20日の感門之盟で55[破]師範代10名が紹介さ […]
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『ミッションインポッシブル』を翻案せよ!【54破】アリスとテレス賞物語編集術エントリー
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2025-11-11
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2025-11-04
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2025-10-29
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