道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
全国的に猛暑にみまわれるなか、54[破]はアリスとテレス賞物語編集術エントリーの一日であった。この日、55[守]では佐藤優さんの特別講義があり、43期花伝所は演習の最終日であった。各講座の山場が重なるなか、54[破]学衆も〆切をめざして猛然とラストパートを駆け抜けた。
7月6日(日)18:00、エントリーが締め切られた。10教室・学衆71名中、エントリーしたのは53名。カオスの縁子さん教室(小林美穂師範代)は、全員エントリーを果たした。おめでとう!
物語編集術は、映画の型を読みとり、それをもとに別様のワールドに翻案するというものだ。物語には母型があるという神話学の成果を踏まえ、英雄伝説の型をあてはめて映画を読み解く。そこで見出した物語の骨組みを、別の時空間と組み合わせると、新しい物語が生まれる。寅さんとマドンナのモデルが、ファンタジックな国語の品詞の世界になったり、悪い男が主役のノワールな世界になったりする。
5つの課題映画のうち、54[破]の人気イチバンは「ミッションインポッシブル」が18点でダントツ。以下「クレヨンしんちゃん」が12点、「男はつらいよ」11点、「スター・ウォーズ」8点、「エイリアン」が4点だった。
風月踊詠教室(飯田泰興師範代)は、なんとエントリーした全員が「ミッションインポッシブル」を選択! 教室全員が同じ映画を選んだのは、[破]にかかわって10年の筆者もはじめて出会ったスコアだ。お互いの翻案を見ながら切磋琢磨し、どんなバリエーションが生まれたのか、愉しみだ。
選評会議は1週間後の7月13日。番匠、評匠、師範、学匠そろって全作品を読み合う。結果発表は、7月下旬。全エントリー作品に講評がつく。
遠い道のりの思えた[破]の稽古も残すところ、あと1か月。それぞれの[破]の物語の大団円へ。ラストシーンを盛り上げるのが最後のミッションだ。
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
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コメント
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2025-11-25
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
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(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)