平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。
本の市場、本の劇場、本の祭典、開幕!
豪徳寺・ISIS館本楼にて11月23日、24日、本の風が起こる<別典祭>(べってんさい)。
松岡正剛、曰く「本は歴史であって盗賊だ。本は友人で、宿敵で、恋人である。本は逆上にも共感にも、羨望にも失望にもなる」。
そんな本の可能性を展くのは、多読アレゴリアの16クラブ。
本が、写真や着物と交わり、ゲームにも大河ドラマにもなり、沖縄へ鎌倉へ軽井沢へ旅する。
6万冊の本楼+ISIS館での、本のお祭り<別典祭>。
お待ちかねの、本の劇場シリーズ予告編、お見せいたします。
別典祭で米光一成×小倉加奈子の公開トークイベントが開催されます。病理医でありイシス編集学校師範として活躍する小倉は、食べ物や空気やバイキンとともに身体を巡りながら細胞を見て回るツアー仕立ての『細胞を間近で見たらすごかった』(筑摩書房)を最近出版しました。一方で米光さんのことはご存じでしょうか。
◆米光さんのゲーム開発思考を徹底解剖します!
米光さんは、落ちものパズルゲーム『ぷよぷよ』の生みの親として知られていますね。1991年の販売開始から、シリーズ累計の販売本数は2,700万本を超えているもよう。昭和末期に登場した『テトリス』の流れを汲んでいます。硬いブロックを扱う『テトリス』と比べて、『ぷよぷよ』ではゼリー状の柔らかな球体を連結、そして連鎖させながら消して、得点を稼ぎます。
さらに米光さんは会心の一撃となる代表作『はぁって言うゲーム』の開発に関わり、2017年にインディーズ版、2018年に商業版がリリースされています。これは与えられたお題から指定された「態度」を「声と表情だけ」でプレイヤーが演じ、その意図をあてっこするゲームでした。上手に演技すれば他のプレイヤーが意図を的中させて高得点が手に入りますね。
米光さんはゲーム作家の職業柄、発想やアイデアを出すためのトレーニングについて頻繁に質問されるもよう。実は「抜け道がある」と『ゲーム作家の全思考』(大和書房)で断言していました。病理医の小倉が米光さんの思考の不思議をミクロレベルで観察し、そのプロセスの構造やアイデア同士の連携具合の美しさを問いかけによって、徹底的にメスを入れるようにします!
◆医学とゲームを重ねてみよう!
医学とゲームの組合せは珍しいと思うかもしれません。多読アレゴリア2025春にスタートした「MEdit Lab for ISIS」のオープニングで、小倉は「私自身は、ゲームおたくではぜんぜんありません!」と大胆に宣言していました。ウノやトランプや麻雀を嗜む程度だったようです。
職業としての医学の社会認知を拡げるための「医学×編集」というワークショップを開催するにあたり、講演会とは別様の可能性を探っていたもよう。参加者がインタラクティブに交流する方法としての「ゲームづくり」にたどり着いたのですね。
トーク内ではMEditゲームの具体的に紹介されます。ゲームづくりにあたって小倉がのめり込んでいった開発の紆余曲折や、ゲームの可能性についても紹介されることでしょう。
「MEdit Lab for ISIS」では循環障害(医学テーマ)と水道管ゲーム(ゲーム系形式)を組合せた血管治療ゲーム「IVR」、理学療法士さんを目指す方、解剖学試験を控える医学部生、筋トレオタク向けの「Dr.マッスル」などが紹介されていましたね。
ロールプレイングゲームのように、こんどは米光さんのターンです! 病理医の白衣を纏って、MEditゲームを解剖するような評価やコメントが届きそうです。
イベント後半では約2万冊の日本の書物が並ぶ「本楼」でのリアルゲームを行います。みなさんが本棚から持ち寄った本をベースにして、お題として掲げられたフレーズを高速で探求しますよ。
小倉が順天堂大学の「MEdit Lab」の公開イベントで開催した、患者さんの心のケアを考えるコミュニケーションゲーム「はぴはぴケアバトル」のように出来立てほやほやのチャレンジとなる要素があるかもしれませんね。ちょっと難しそうだと感じるかもしれませんが、ルールもロールもツールも(ルル3条と呼びます)小倉がテストプレイで調整しています。きっと発想を促すヒントもアナウンスされることでしょう。
米光さんが開発したゲーム「ぷよぷよ」っぽく、回答としてのフレーズの特大連鎖を期待しつつ、「なんでこんな言葉でてきちゃったの!?」くらいに気持ちよく劇場で遊びましょうね。名回答にはプレゼントもあります!
<参考文献>
『ゲーム作家の全思考』米光一成/大和書房
『細胞を間近で見たらすごかった』小倉加奈子/筑摩書房
イシス編集学校「別典祭」(べってんさい)」開催概要
会場:編集工学研究所ブックサロンスペース「本楼」
(最寄駅:小田急線 豪徳寺駅、東急世田谷線山下駅より徒歩7分)
〒156-0044 東京都世田谷区赤堤2丁目15番3号
https://www.eel.co.jp/about/company
日程:2025年11月23日(日)・24日(月・祝)
チケット(2日間有効):一般の方無料。イシス編集学校受講生は1500円。
申込方法:以下URLからお申し込みください。
https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025bettensai
プログラム:
【1日目プログラム 11/23(日)】
12:30 開場
13:00 開会宣言
14:00-15:00 ほんのれんクラブ|ほんのれんラジオLIVE
16:00-17:00 着物コンパ倶楽部|黒留袖ファッションショー
18:00-19:30 武邑光裕|トークイベント
19:30 挨拶
【2日目プログラム 11/24(月祝)】
11:30 開場
12:30-13:30 千夜千冊パラダイス|おっかけ千夜千冊ファンクラブSP Live
14:00-16:00 MeditLab|米光一成 × 小倉加奈子トーク&ゲームプレイ(この記事)
16:30-18:00 田中優子学長|酒上夕書斎SP
18:00 閉会挨拶
【2日間通しプログラム(11/23-24)】
・終活読書★四門堂 × 多読ジムClassic × 大河ばっか!|古本市
・EDO風狂連|100人連句
・軽井沢別想フロンティア|「浅羽米」販売
・OUTLYING CLUB|武邑光裕式パネル展示
・よみかき探Qクラブ|あそびコーナー
・倶楽部撮家|写真展示
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・11/23(日)16:00-17:00:着物コンパ倶楽部|黒留袖ファッションショー(Coming Soon!)
・11/23(日)18:00-19:30:武邑光裕|トークイベント(Coming Soon!)
・11/24(月祝)16:30-18:00:田中優子学長|酒上夕書斎SP(Coming Soon!)
畑本ヒロノブ
編集的先達:エドワード・ワディ・サイード。あらゆるイシスのイベントやブックフェアに出張先からも現れる次世代編集ロボ畑本。モンスターになりたい、博覧強記になりたいと公言して、自らの編集機械のメンテナンスに日々余念がない。電機業界から建設業界へ転身した土木系エンジニア。
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コメント
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2026-03-10
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桃の節句に、桜の葉が好きなモモスズメ。飼育していると、毎日、たくさんの糞をするが、それを捨てるのはもったいない。こまめに集めて珈琲フィルターでドリップすれば、桜餅のかほりを放つ芳しき糞茶のできあがり。