松岡校長が創った人たちとともに紡ぐ物語 績了式指導陣メッセージ【90感門】

2026/03/22(日)19:00 img
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 [遊]物語講座の績了式は、毎年装いを変えながら物語編集の可能性を追求している。17綴ではISIS Festa Special と共同し、漫画家の近藤ようこ氏を招いてI物語編集を語り合い、16綴では多読スペシャル「鴻巣友季子を読む」の読了式とコラボして、物語の読みと書きを多角的に深めた。

 

 第90回感門之盟では[守]の卒門生とともにこの半年の学びを寿ぐ。

 

 編集学校では、[守]を卒門し[破]を突破すれば、[遊]物語講座を受講できる。本楼を埋め尽くす未来の物語講座受講候補生を前に、物語の世界へ導く指導陣のメッセージにもより一層力が込められていた。

 

◆小濱有紀子創師

 

 18綴の叢衆は[破]から出てそのまま来た人たちが多かったのですが、まじめで丁寧にお題に向き合い、粘り強くお稽古に取り組んでいましたね。お稽古の力を強く感じました。

 物語講座は[破]師範有志が創った講座です。いわば校長が創った人が創った講座だといえます。創師として校長が創った人たちとともに講座を動かしていく楽しさと素晴らしさを18綴ではいっそう実感できました。

 

産霊山ランデヴー文叢 堀田幸義師範代

 

 小林奈緒師範からの「文叢名の二つの物語にひそむ主人公が未知に向かわざるを得ない状況に肖って、書ける物語ではなく未知を書かされる物語へ向かう方法を叢衆に手渡していましたね」という誉め言葉に、「師範代を惑わせる遊び心満載の叢衆が多かった」と苦笑いする堀田師範代。

 読み手から書き手に着替え、語る言葉や多義的なものを重ねながら自ら世界をひろげていく姿勢が、各叢衆の作品に向けられていったことを実感したという。文叢の稽古模様は、叢衆にとっても堀田師範代自身にとっても、はじまったばかりの物語であった。

「これからも繰り返し学び続けてほしい」堀田師範代の熱い呼びかけは叢衆の力を思えばこそ。

 

地球星人服従文叢 畑本浩伸師範代

 

「イシスを踏破する探検家であり、変化をベースに自分を変えることを促す指南を進めましたね」と高橋陽一師範に絶賛された畑本師範代。

 二冊の本が纏う不条理な空気と最後まで妖しさが濃くなる物語が醸し出す雰囲気をワールドモデルに、叢衆という英雄たちをゴールへ導くべく、困難に遭遇する叢衆におのおのの見方づけを暗示し、目的を察知していくよう切れ目なくエールを送り続けた。

 「火星をめざしてくださいね」新天地へ向かう叢衆に贈る言葉も教室名に肖った配慮に満ちている。

 

沼地の果ての温室文叢 北條玲子師範代

「イシスのロールをいろいろしたい」と語る北條師範代

 

 「今日の衣装は能のシテの衣装のよう。叢衆さんは、文叢名の<沼地>のような困難を感じていたかもしれませんが、北條師範代はそこにとどまって、かきまぜて、素地をつくりだせるような舞台を迅速にしつらえ、導いてくださいましたね」とねぎらう森井師範の言葉に「二つの物語の鍵は<再生>です。なんどでも物語を再生し、新たな道へ向かってほしい」と応答する北條師範代。

「英雄伝説では、英雄は必ず帰還します。これからもみなさんの物語をつくるために、編集の方法に還って、その先へ進んでいってほしいです」

 

 績了式から漏れ伝わってくる物語講座の魅力が響いた守学衆の心には、既に[破]のお題物語編集術や、その先の「物語の方法」に注意のカーソルが向いていることだろう。

 

師範代への『綴懇巻』はオリジナルカヴァー仕様。物語アワード各賞発表までは固く封印されている

 

(写真/今井早智・細田陽子)

  • 細田陽子

    編集的先達:上橋菜穂子。綿密なプランニングで[守]師範代として学衆を全員卒門に導いた元地方公務員。[離]学衆、[破]師範代と歩み続け、今は物語講座&多読アレゴリアと絵本の自主製作に遊ぶ。ならぬ鐘のその先へ編集道の旅はまだまだ続く。