中坊=14歳といえば「子供と大人の境目」ということで、実は物語講座14綴では大きなお題改変があった。最大の改変である「トリガークエスト」は、叢衆達は次々と舞い込んでくるお題の束と格闘しているうちに、気が付くと「自らが書こうとしていた物語」から遠く離れた未知の物語を書き上げている、そんな稽古。そしてもう一つの改変は、物語を読み解く力を改めて問い直す「プロローグ」お題のリニューアルだった。
書きたいものがあるから書くのではなく
偶然やってきたものからも物語を書く講座へ生まれ変わった物語講座
そんな節目の物語講座で何が起こっていたのか?講座指導陣である赤羽綴師と小濱創師に加えて、叢衆として「内部」でその変化を直接体験した桂大介さん、さらに「外部」からどのように見えるのかを紐解くため 47[破]物語AT大賞を受賞した外山雄太さんをゲストに迎え、対談は始まった。
47[破]物語AT大賞受賞者・外山雄太さんインタビュー
突[破]を経て、「コレは彼方での闘争かな」などなど、物語母型「英雄伝説」にマッピングして日常を読み解くようになったという外山さん。そんな外山さんに、赤羽綴師は、松岡校長の「オペラプロジェクト」を紐解きながら、実は「英雄伝説」は多様な物語母型のひとつであり、宮崎駿作品などを例示しながら他にも沢山の母型があることを解説。
物語講座の始まりは、松岡校長の「オペラプロジェクト」の成果を学び
編集学校の稽古にフィードバックすることだった(赤羽綴師)
物語母型(型)を用いて
物語を「読み解く」スキルを育むのも講座の狙いの一つ(小濱創師)
14綴を績了した桂さんは、文章の語り手=自分自身に慣れていたため、当初は物語内にいる他者/キャラクター達に「語らせる」ことにやや戸惑ったと語る。しかし、トリガークエストの指南で「キャラクター全員分のクロニクルを書いてみたら?」と師範代から提案され/試してみたところ、次第に各々のキャラクター達が「自ら語り出す」ような感覚が生じたという。加えて、矢継ぎ早に「未知」を呼び込むクエストお題が舞い込んでくるので、ふと気が付いた時には「当初は予想もしていなかった展開」へと物語が変質していたことに驚く声が、文叢内ではあがっていたようだ。
15離では別番として、離学衆を「めらめら」と焚きつける/桂さん(15離案内)
「偶然やってきたものからも物語を書く講座へ」を深く実感した桂さんの話を聞き「今すぐ講座に申し込みたい!」と即応した外山さん。しかし、小濱創師から次回開講は今秋と聞かされ、非常に残念そうな表情を浮かべていた。
写真:後藤由加里
ということで…
物語講座15綴 今秋開講予定(乞うご期待)!
高橋陽一
編集的先達:ヘッド博士の世界塔。古今東西の幅広い読書量と多重なマルチ職業とディープなフェチ。世界中の給水塔をこよなく愛し、系統樹まで描いた。現在進行中の野望は、脳内で発酵しつつある物語編集の方法を「社会実装」すること。
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