「ふと、夕暮れ時に人気を避けたくなる。そんな時は一人で郊外のお寺に向かう」。鈴木康代(8[離])が告白する。2018年10月、第11回未知奥声文会で「境界体験」を語り合った時のことであった。
「羅漢像が並ぶ墓場を散策していたら、中年男性と目が合ってびっくりした。むこうはカメラと三脚を抱えて逃げ出した。“ちりん”と鈴の音が聞こえたから、あれはきっとクマよけだよ」。
クマが出没する寺で、夕暮れ時に散策。未知奥声文会に衝撃が走る。
つぶらな瞳のミポリンこと浦澤美穂(12[離])は、学生時代を札幌で送った。原付バイクでススキノの繁華街からラブホ街を抜け、アパートのある薄暗い郊外へと疾駆していた。
ラブホ街路上で、ニヤケたトラックドライバーと目を合わせることもあった。浦澤ミポリンの越境ぶりに、未知奥声文会はどよめいた。
井ノ上シーザー
編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。
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