「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

リハーサル中、校長の書の前に座する林頭を目にして私は、数メートル下ったところから知らず手を合わせていた。お姿がありがたい……。
休憩時間に駐車場で、謁見をお願いする気持ちでお声をおかけした。
A「林頭。神々しくて、近寄れません。お傍から蘭奢待の香りがします。感門之盟では和服をときどきお召しになるんですか?」
林「いや、初めてなのよ」
A「えっ!!! 堂に入ってらっしゃって、ふだんから着付けてらっしゃるとしか思えません」
林「持ってないからね。これ、ぜんぶ優子学長の見立て。アレにしなさい、コレがいい、はい、はい、と」
A「うーん、さすがです。見れば見るほど本物です、高僧です」
林「袈裟は着てたな。坊主やってたからね」
い「・・・お坊さんって、 “やる”もんなんですか?」
林「そうよ。やれるのよ。師範代だってそうでしょ。教えるなんてできませ〜ん、なんて言ってる人たちがさ、立派にやっていくわけじゃない」
そう言いながら林頭は片手に持っていた煙草を灰皿に押しつけ、本楼へと消えていった。林頭の和服姿は粋に向かうと思われたが、むしろ雅だった。
(写真・文/匿名希望)
今井早智
編集的先達:フェデリコ・フェリーニ。
職もない、ユニークな経歴もない、熱く語れることもないとは本人の弁だが、その隙だらけの抜け作な感じは人をついつい懐かせる。現役時代はライターで、今も人の話を聞くのが好き。
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コメント
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