[離]の渦中から[花]プレへ 32[花]編集術ラボ

2019/10/08(火)12:50
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 10月1日、32[花]編集術ラボラウンジで開講に向けて入伝生の準備運動が始まった。

 

 プレワークは、7週間の式目演習をフルスロットルで駆け抜けるために用意されたプログラム。毎日演習し続ける体力と、回答を共読する習慣を身につけ、その場で日々生じている編集に対する察知力を高めていくのがねらいだ。[守]のお題を高速で振り返り、指南の構造をアナロジカルに観察するほか、千夜千冊の多読にも挑戦する。

 

 今期は、13[離]の離論を提出する締切が10月9日に迫るなか、二人の離学衆が入伝を決めた。逍応院の梅澤光由さんと絃燈院の中西晶大さん。点呼にもサクサクと応じ、早くもプレワークのお題に向き合っている。

 

 「編集はじっとしていない」。松岡正剛校長の言葉を体現するふたりのカマエとハコビは、早くもラボに飛び火し、稽古プロセスの共有を始める入伝生の姿も見られた。10月26日の入伝式を経て、道場演習が始まる。

  • 三津田知子

    編集的先達:ルドルフ・シュタイナー。花伝入伝時に出家得度。感門之盟で密教僧の袈裟姿で登壇、衆目を集めた。離火元、花目付、古典輪読と研鑽を続ける編集求道者。道産子二頭の馬主でもある。姉は三津田恵子師範代。

  • 【三冊筋プレス】論・語・遊・読(三津田知子)

    2020年3月11日、WHOは新型コロナウィルスによる感染拡大を「パンデミック」と認定した。どのような基準で、どんな手続きを経て決定が下されたのか。情報を血肉化し、生きた知にしていく読みが問われている。   […]

  • 現在進行形の舞台仕込み 44[守]

    43[守]の卒門を終え、いよいよ今秋開講する44[守]の準備が進行中だ。田中晶子花伝所長からの呼びかけに応え、師範代キャストに名乗りをあげた放伝生らを含む23名が、自主トレに取り組んでいる。    「うねうね […]

コメント

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堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025

大沼友紀

2025-06-17

●記事の最後にコメントをすることは、尾学かもしれない。
●尻尾を持ったボードゲームコンポーネント(用具)といえば「表か裏か(ヘッズ・アンド・テイルズ:Heads And Tails)」を賭けるコイン投げ。
●自然に落ちている木の葉や実など放って、表裏2面の出方を決める。コイン投げのルーツてあり、サイコロのルーツでもある。
●古代ローマ時代、表がポンペイウス大王の横顔、裏が船のコインを用いていたことから「船か頭か(navia aut caput)」と呼ばれていた。……これ、Heads And Sailsでもいい?
●サイコロと船の関係は日本にもある。江戸時代に海運のお守りとして、造成した船の帆柱の下に船玉――サイコロを納めていた。
●すこしでも顕冥になるよう、尾学まがいのコメント初公開(航海)とまいります。お見知りおきを。
写真引用:
https://en.wikipedia.org/wiki/Coin_flipping#/media/File:Pompey_by_Nasidius.jpg