中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
道場が動き出す。
08:07 むらさき道場の岩野範昭花伝師範が一番に道場の鍵を開けると、正午までに5つの道場全ての鍵が開かれた。最初に登場するのは誰か、と思うまもなく入伝生が登場した。
一番乗りの応答は、むらさき道場。ついでやまぶき道場だった。
道場の世界定めは亭主である花伝師範が用意する。入伝生を迎えるホットメッセージやアイコンといった細部に世界が宿る。14日入伝式がおひらきになった深夜も、花伝師範たちは道場のしつらえに向かっていた。そうして道場は一座建立のための編集装置になるのだ。
わかくさ道場、やまぶき道場はすでに全員が席についている。
いよいよエディティング・モデルが往還する道場演習が始まる。
文 吉井優子(花伝師範)
アイキャッチデザイン 阿久津健(錬成師範)
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