守の折り返し点、用法2最後のお題「層なんです」。2つの事象の「目盛り」を取り出し、重ね、混ぜ混ぜしながら新たな「目盛り」をつくるジャグリング風味のお題である。
2つのうち一つは「人の成長の目盛り」を使うというしばりがある。
◆八段プラモデル教室のTさんは「初めての友達作り」に「家庭菜園の野菜作り」を重ね、初めは何もない、つながらないのが当たり前だと気づいた。
◆唐傘さしていく教室のNさんは「相手と比較しない力」に「銭湯での体験」を合わせ、他人と比較しないことの気持ちよさをイメージできた。
◆きざし旬然教室のIさんは「エレキギター」の習熟に「ねぎ牛タン塩を食すまでの工程」を混ぜ、猛練習にふさわしいオノマトペは「めらめら」だと発見。
◆アニマ臨風教室のUさんは「新しい街に馴染む」段階と「後乗せ天ぷらの硬さ」をかけて、街のなじみ具合に段階的な楽しさがあると感じた。
なにかの過程を層になって並んだ構造としてとらえた場合、層の区切りとなるのが「目盛り」だ。
018番では、すでにある「目盛り」の見え方と意味の変化を感じてほしい。卒門まで2カ月、見方はどこまで変わるだろうか。
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
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