自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
「引き出しをひっくり返せ」と笹本直人師範代が叫べば、本城慎之介師範代は「自分と世界の可能性を拓くのが編集だ」と応える。廣田雅子師範代は「日常に、稽古を」と訴える。師範代の言葉はアツいんです。「このフライヤーを目印に、集え53[守]vol.1」いかがだったでしょうか。見事にデザインされた教室名フライヤーとともに、師範代のメッセージにもぜひ注目してください。
それではVol.2に行ってみましょう。
53[守]開講は5月13日。ビビっときたら画面下のリンクへGo!
なにか足りない。もっと変えたい。そう感じているなら動こう。「異質」へと向かおう。モノでもコトでもヒトでも、それが新しいカタチに向かうとき、今あるものとは違う何かを必要とする。イシス編集学校の編集稽古で、他者の、そして自己の異質と出会おう。それらのカケラを方法という金で継ごう。38のお題を経て成った新しい器。見たことも、考えたことさえなかったそのカタチが、実は、成りたかったカタチなのだと気づくだろう。(今井サチ)
足りない自分やどうしようもない世の中にもやもやする夜。その夜の中にこそ、本当に大きな可能性があります。けれどそれは合理の光で照らしてみても見えません。編集学校ではそんな夜を探検するための編集の型を38のお題を通じて学びます。取るに足らないもの、恐ろしいもの、怪しいもの先に可能性の待つ夜へと編集を手に仲間と一緒に分け入りましょう。15週間後にはきっと可能性を手にしているはずです。(名部惇)
似たような街並み、どこかで見たような情報。周りの世界がつまらなく見えているとしたら、「謎」が足りていないのかもしれない。世界は情報で満ち、情報は謎で満ちている。謎を見つけることができれば、世界は変わって見えてくる。イシス編集学校では38の型を学び、セカイと出会い直す秘訣を学ぶ。灰色の脳細胞を使って、極上の謎解きをどうぞご一緒に。(上原悦子)
妖しげで危うさをまとった今だからこそ、金継ぎは雷に打たれたように衝撃の再生をもたらし、闇夜に光る食虫植物はあんぐりと口を開けて編集の可能性を待ち構える。そして、謎を解き明かす方法はアガサの世界が鍵を握っている。異質を持ち込むことを恐れない三様の強者、いざ!
ご自分はナイーヴだと感じている方も、そうではないと感じている方も、教室では礼節という名の下に、稽古の型という楽器を使い、みんなでハーモニーを奏でていきます。すると、その楽しさにいつしか、ナイーヴも、どこかに苦手意識を持つ自分も、一つひとつが大事な音だったと気づくことができます。人生だって編集できます。日本だって、世界だって。朋友と稽古すればいつの間にか楽の鐘が鳴る。そんな境地へ、ご一緒しませんか?(廣瀬幾世)
ひとり歩く夜道にどこか恐ろしく心細いとき、一軒の家の明かりが小さな胸に火を灯す。そんな経験ありませんか? それは風にゆれるような営みだとしても、ひとが帰る場所には特別な光と熱があります。そんな原体験に舞いもどり、忘れていたポケットの宝物に気づくような、窓からまだ見ぬ世界へ旅立つような38の稽古があなたを待っています。イシス編集学校でぜひ遊んで行ってください。(土居哲郎)
同じお題なのに、学衆さんによって回答が違うのが面白い。そこに気づくと自分の中にあるセンサー(感)が発動し、予想外のひらめきを起こす。これが七感の働きです。身体の五感・直感の六感・センサーの七感。この3つを同時活用できるのが、「五感・六感・七感教室」。教室での対話、教室という場所、編集の型というサイクルに乗って、情報の捉え方が変わるとしたら。そう、その時自分も世界も変わる。(橘まゆみ)
“問”うて、“感”して、“応”して、“答”して、“返”する。そして再び“問い”へ。編集稽古で繰り広げられる「既知と未知のあいだ」の循環には、繊細かつ多色な音を奏でる朋友たちの姿、忘れていたポケットの宝物にときめくわたしの灯火、四方八方にわたしのセンサーが乱舞する五感・六感・七感。それはもう、めっぽう刺激的!
合いの手:若林牧子(53[守]師範)
アイキャッチ:阿久津健(53[守]師範)
★第53期[守]基本コース
稽古期間:2024年5月13日(月)~2024年8月25日(日)
申込はこちら
編集力チェックでもお待ちしてます
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
秋の絵本を「その本を読むのにふさわしい明るさ」で3つに分けると、陽だまり・夕焼け・宵闇になる。 多読アレゴリア「よみかき探究Qクラブ」のラウンジに出された問い「本をわけるあつめる。するとどうなる?」への答えだ。 クラブで […]
教室というのは、不思議な場所だ。 どこか長い旅の入口のような空気がある。 まだ互いの声の高さも、沈黙の距離感も測りきれないまま、 事件を挟めば、少しずつ教室が温かく育っていく。そんな、開講間もないある日のこと。 火種のよ […]
かなりドキッとした。「やっぱり会社にいると結構つまんない。お給料をもらうから行っておこうかなといううちに、だんだんだんだん会社に侵されるからつらい」。数年前のイシス編集学校、松岡正剛校長の言葉をいまもはっきりとはっきり […]
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これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
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2025-11-18
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2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。