『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
イシスのイベントの多くはこの人のメッセージから始まる。講座プロジェクトを全面的に支えるパワフルなハブ、八田英子律師が、今日もまず壇上に立った。本楼を埋め尽くす学衆・叢衆・師範陣らが言葉を待つ中、律師は2024年9月の「感門之盟・番期同門祭」、校長が逝ってしまった夏から秋へと季節がめぐった、あのときを持ち出した。56 守の師範代の多くが、番期同門祭で守を卒門したメンバーだからだ。
「今日の読奏エディストリート。イシスのエディットストリートは一直線ではなく、回遊するサーキットでもあります」。八田律師はそう言って、守講座が2周目となる師範代や、2周目、3周目となる再受講者、さらに大きな周回をする物語講座受講者に触れた。編集道は一度で味わい尽くせるものではない、と。
田中優子学長も、本は必ず2回、いや、それどころか何回も読む。そして松岡校長は、著者のリズムにのって読み、それを体現するように「千夜千冊」を書く。「これからさまざまな語り手が登場します。そこで繰り広げられる読みをみなさんで体感しながら、今日という日を楽しみましょう」。
八田律師は凜とした着物姿で、西陣織帯の帯には再生の女神イシスが描かれている。校長を偲んで番期同門祭で初めて締め、今日が2度目になる帯だ。イシスは周回しながら読奏する。
(写真/今井サチ、細田陽子)
今井サチ
編集的先達:フェデリコ・フェリーニ。
職もない、ユニークな経歴もない、熱く語れることもないとは本人の弁だが、その隙だらけの抜け作な感じは人をついつい懐かせる。現役時代はライターで、今も人の話を聞くのが好き。
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コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
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2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。