マンガにおける短詩系文学といえば四コママンガということになるだろう。四コママンガに革命をもたらした最重要人物の一人である相原コージは、そのものズバリ『漫歌』をものした。
冬至を過ぎ、クリスマスの足音が間近に迫っています。フライドチキンの予約や、子どもたちへのサンタさんからのプレゼントの用意も万全でしょうか。あとは12月24日の夜を待つだけのご家庭もきっと多いでしょう。
クリスマスの先には新年が待っていますね。春からの学びを「イシス編集学校」で過ごしてみたいと考えている方々への無料の学校説明会が23日昼にオンラインで行われました。ナビゲーターをつとめるのは師範の古谷奈々。これまで凝り固まった見方を持っていた参加者に対して、物事を多様に見るための方法を紹介しました。
今回、説明会で行われていたワークの場面を中心にレポートします。
まずは自己紹介ワークからスタートです。お名前、お住まい、ご職業の紹介に加えて、西洋から東洋までのお菓子で自分を見立てるお題。形容の言葉でイメージを広げます。
トップバッターとして、奈良在住で日本の工芸を仕事にしている古谷が回答しました。「甘じょっぱいせんべい」。とっても対比的な味の和菓子ですね。どうやら歯ごたえがあって、単刀直入に物申す気質がしょっぱい成分のようです。もう少し甘くなりたいという将来に向けての願望を形容の言葉として加えたのです。
関東在住で会計業務をする参加者は校長・松岡正剛の『知の編集術』や『知の編集工学』に惹かれて今回の説明会に参加しました。「小さい子もおじいさんお婆さんも好きなキャラメル」。仕事の単調性に注目して連想したキャラメルですが、老若男女問わず必要とされるという意味を込めて装飾しています。小さいころから知っている甘さから参加者の人柄が伝わってきます。
同じく関東在住で研究者を名乗った参加者は「ラムネの粒が入ったふわふわな綿あめ」。普段から思索にふけっている状態を綿あめと表現し、発見したときのパンチ感をラムネとして追加していました。閃き感がたっぷり出ていますね。
編集学校で学ぶ見立ての方法を古谷が体験談として語ります。仕事の忙しさを表現するときにも使っているのです。プロジェクトの緊急度合いをイメージする際に、ぼやなのか、大火事なのかを問います。見立ての力を使うことで緊張がほぐれ、客観的にプロジェクトのイメージを関係者と共有できました。
お次は情報の分母(背景)となる「地」と、その上に現れている分子(モノ)である「図」を見つめるワークがありました。
分子に置かれたマスクに対して分母を次々と変えることで、マスクの見方が次々と変わります。私たちはモノの方ばかりを注意しがちですが、背景情報も同時に見ておく必要があるのです。
編集術を学んで以来、古谷は人同士のコミュニケーションの際に「地」を見ることが多くなったと語ります。例えば、良い会社について上司と部下が議論するときにも平行線になることはありませんか。
上司にとっての良い会社は目標に向かって邁進すること、部下にとっての良い会社は公私のバランスが取れること、と各々の捉え方が異なります。双方の「地」となる背景をお互いに把握することでコミュニケーションが活性化し、会社を良い方向へ進めるための方針が決まるのです。
集めた情報を関係づける方法の型についての紹介がありました。ホップ、ステップ、ジャンプのようにモノやコトを3つ並べる三間連結を使うワークでは、「卵」を使ったお題が登場しました。
「卵→鶏→●」となる並びに対して、日常の食事における鶏肉料理、さらには農場の生産者の視点から再び卵という回答が登場しました。鶏が新しい命を生んだのです。さっそく先ほど学んだ「地と図」の関係を意識しながら回答しています。説明会でのナビゲーションによって編集術への理解が深まっていますね。
追加お題として「卵→割れかけた卵→●」がアップされました。ナビゲーションに寄り添いながら、台所だと黄身と白身、鳥小屋だとひよことの回答がでます。
「恐竜が生まれますね」。古谷を驚かせる回答が登場し、椅子からズッコケました。種はニワトリとは限りません。時間が古代へとタイムワープしたのです。「地」の情報を動かすことで、未知なる見方の収穫ができました。
学校説明会の終盤では基本コース[守]についての説明がありました。イシスではインターネットを使った編集稽古が中心なので、日本だけでなく、世界中のどこからでも学ぶことができます。
入門後からログインできる専用サイトの紹介がありました。さらには、通勤時間やお昼休みの時間帯に、スマホ内のメールアプリを使って回答していた経験を古谷が語ります。いつでもどこでもお題への回答ができるので、スキマ時間を使って編集力を高めることができますね。2024年春からの入門をお待ちしています。
【講座名】 第53期 [守]基本コース
【受講期間】 2024年5月13日(月)~2024年8月25日(日)
【受講料】
・一般:110,000円(本体価格100,000円)
・再受講割引:99,000円(本体価格90,000円)
・U23割引:55,000円(本体価格50,000円)
・家族割・共割:2名様で110,000円(本体価格100,000円)
【定員】 200名
【申込期限】
2024年4月28日(日)
■お申し込みはこちらから:
畑本ヒロノブ
編集的先達:エドワード・ワディ・サイード。あらゆるイシスのイベントやブックフェアに出張先からも現れる次世代編集ロボ畑本。モンスターになりたい、博覧強記になりたいと公言して、自らの編集機械のメンテナンスに日々余念がない。電機業界から建設業界へ転身した土木系エンジニア。
<速報>物語のシーン描出に「目のカメラ」を活用しよう/55[破]破天講
師範代たちの振り返りの後、今期の物語編集術のレクチャーが行われました。担当は師範・天野陽子となります。 天野は短歌集『ぜるぶの丘で』を2月に出版し、先月末に第40回北海道新聞短歌賞に選出されていたようです。11月26 […]
11月23日(日)にスタートする多読アレゴリアの別典祭の準備が編集工学研究所で行われていますね。並行して、55[破]破天講が2階の学林堂で開催されていました。師範代は10月の突破講とその後の準備期間によって、すでに破の […]
11/24(月)14時〜16時:ぷよぷよ創造主の思考にイシス病理医がメスを入れる!【別典祭】
本の市場、本の劇場、本の祭典、開幕! 豪徳寺・ISIS館本楼にて11月23日、24日、本の風が起こる<別典祭>(べってんさい)。 松岡正剛、曰く「本は歴史であって盗賊だ。本は友人で、宿敵で、恋人である。本は逆上にも共感に […]
<汁講レポート>角川武蔵野ミュージアム訪問で味わう(55[守]つきもの三昧教室)
「せっかくの遠出だから、角川武蔵野ミュージアムに行ってみよう」 イシス編集学校の55期基本コース[守]の最後のお祭り的なイベント・第89回感門之盟が9月20日(土)に行われていました。私が師範代を務める「つきもの三昧教 […]
<速報>ピッチングマシーンのボールのように飛びながら世界を認識する/55[破]突破講
「クロニクル編集の稽古を通じて、家族との関係性が変わった」 ISIS co-missionメンバーであり、文化人類学者・今福龍太さんが登場した9月27日の第180回伝習座が終わった翌日、55[破]応用コースに登板する師 […]
コメント
1~3件/3件
2025-12-10
マンガにおける短詩系文学といえば四コママンガということになるだろう。四コママンガに革命をもたらした最重要人物の一人である相原コージは、そのものズバリ『漫歌』をものした。
2025-12-09
地底国冒険譚の主人公を演じ切った幼虫と灼熱の夏空に飛び立った成虫、その両方の面影を宿すアブラゼミの空蝉。精巧なエンプティボックスに見入っていたら、前脚にテングダニの仲間が付着しているのに気づきました。
2025-12-02
{[(ゴミムシぽいけどゴミムシではない分類群に属している)黒い星をもつテントウムシに似た種]のように見えるけど実はその偽物}ことニセクロホシテントウゴミムシダマシ。たくさんの虫且つ何者でもない虫です。