「そもそもオンラインで、どうして地域にこだわるのか……」
開催2ヶ月前、Slackでぼやき続ける男がいた。
2019年夏から、全国各地で開催されているエディットツアースペシャル。毎期大阪会場のナビゲーターを任されている山根尚子(46[守]師範)が、4度目の今期、パートナーとして白羽の矢を立てたのが内海太陽(43[破]合氣プロセス教室師範代)だった。
ふたりは39[守]師範代同期。そしてヨガ講師の山根に対して、内海は合氣道家。ともに身体と型の関係を学ぶ同志でもある。ぴたり息を合わせて準備は進むはずである。
山根は、全体テーマ「探せ、方法日本!」に沿って、内海の地元である兵庫・姫路を掘りさげようとする。一点の曇りもない山根の笑みをまえにしても、内海は終始眉根を寄せている。つねにビジネス鞄に『正法眼蔵』を隠しもつ内海、一筋縄ではいかなかった。
「姫路を語るかどうかは、あんまり主眼におかなくていいと思いますけどね〜」
「参加する人の日常に切り込まないと、面白くないようにおもいましてね〜。だから『姫路』がコンセプトになってもなんだかなぁ〜って」
「それにオンラインセミナーって、ぐだぐだなイメージしかないんですが」
容赦なくエディットツアーの前提に問いをぶつける。ふたりは物言わぬ姫路城を見上げて、長らく立ち止まった。
山根は、ツアーに託した思いをぽつりぽつりと語る。
「今回の目的は、普段何気なく見ている世界も、型を通すことで見方が変わると体験してもらうことでしょうか」
根本義に触れた内海は、すかさず腕をまくり、それを掴みにかかった。
ふたりが今回のために用意したワークは、「犬と女とカッティング」。[守]講座のカリキュラムのなかでも大人気のお題を、特別に未入門者にも体験してもらう。90分で、編集術の基本レクチャーや想像力を刺激するワークを行い、参加者の編集力をストレッチさせる仕立てだ。姫路城はおそらく登場しない。
ナビを担当するインターアクターは、[守]師範を4期連続で務め、初学者にわかりやすい語り口が持ち味の山根と、編集道の本義を追求する内海の硬軟コンビ。そこに、チャットだととたんに饒舌になるネット弁慶の梅澤奈央(42[破]師範代)が黒子として加わり、三者が編集術のさまざまな活かし方を伝授する。
参加したあとは、あなたの街がいままでと違った表情を見せるはず。
イシスフェスタ・オンラインツアー@大阪・姫路
「ほうほうふくわらい」
■日時:2021年3月4日(木)19:00-20:30
■会場:Zoomを利用します。お申込の方に参加用URL、パスワードをお送りします。
■定員:先着12名
■料金:1100円(税込)
■インターアクター:山根尚子(師範/ヨガインストラクター)、内海太陽(師範代/水プラントエンジニア、合氣道五級)、梅澤奈央(師範代/ライター)
■申し込みはこちらから
*過去のエディットツアーの様子は遊刊エディストで検索。
・7歳の女の子もおおはしゃぎ。山根ナビのツアー参加者の体験談:編集かあさん エディットツアー(松井路代)
・山根ナビが身体を張って、ツッコミ編集術を伝授した様子:【イシス祭レポ@大阪】ツッコミ実践WS〜もし、目の前の人が突然のけぞったら〜(梅澤奈央)
*イシス編集学校未入門の方は、事前に「編集力チェック」の受講をおすすめします。
所要時間は2分、スマホひとつであなたの編集力を測ります。
https://es.isis.ne.jp/web_taiken/entry1.html
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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