『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
源氏物語の原文を
自分の手で書き写す、そして読む
そして語りたくなる
原文は、岩波文庫の『源氏物語』。
「書き写す」のは無地のノートに、「読み」の手すりは「古語辞典」と『官職要解』。
「読む→書く」という順番とは反対に、書いて読む。そしてその過程で自分が感じたことを語る。
これが、ハイリド源氏倶楽部のスタイルです。
ハイパーに読むのですから、どこから読むか、どこへ飛ぶかは、気の向くまま心おもむくまま。先入観を取り払い自分から積極的に、紫式部の筆ざわりにアフォーダンスする。
そして出会うのは、源氏物語の中に繰り広げられるアフォーダンス。それは目眩に似た感覚です。
* * *
クラブ発足の発端は「又聞きでなく解釈でもなく通説でもなく源氏物語の原文に触れたい」という願いでした。世にある現代語訳や英訳のフィルターを外した「生身の源氏物語」をこの目で確かめたい。紫式部が書いたそのままに近づきたい。
それが「今、可能になっている」と気がついたのは、2017年に刷新された岩波文庫『源氏物語 九巻』の索引を見た時でした。これを使えば行けると直感的に思ったのです。
そこで、この岩波文庫の『源氏物語』を使った「ハイパー読みスタイル」を考え、ハイリド源氏倶楽部を立ち上げました。
おそらく、だれもやったことのない方法です。
この新たな方法を使って、源氏物語とそしてそれを書いた紫式部に、近づき、分け入り、深みに入ってゆきませんか?
わたしも、一緒にやります。
これを読んで、やりたくなったら、どうぞお越しください。
*大切なお知らせ
ハイリド源氏倶楽部に限りシーズンごとに一旦終了して、毎シーズン新たに受講者を募ります。
連続での受講もOKですので次シーズンも受講を希望される場合は、申込開始となったら再びお申し込みをお願いします。お申し込みがない場合はそのシーズンにて退会となります。もちろん、お休みした後、再びの受講も大歓迎です。
2026春は13名限定先着順で受付けています。(イシス編集学校:千離衆かつ、守・破師範代経験者限定)
*ハイリド源氏倶楽部のルル3条
【ロール】
書き手:紫式部
編み手:校注者
読み手:自分自身
語り手:自分自身
【ツール】
『源氏物語』全9巻 岩波文庫
『新訂 官職要解』和田英松/講談社学術文庫
『古語辞典』4万語以上収録のもの(電子版web版不可)
無地のノート
筆記具
【ルール】
源氏物語への先入観を取り払う
AIを使わない
ネット検索をしない
自分の手で無地の紙に書き写す
ツールの本のみを使って読む
自分の言葉で語る
*おのおの違うリズムで
1ヶ月ほどをかけて行う「読前ルーティン(6つのお題)」を経験すれば、クラブに入っていなくても源氏物語に分け入ることができると思います。
ですが、せっかくですから、ハイリド源氏倶楽部の「しつらえ」の中で、千年前の京の都にアクセスしてみませんか。
クラブに入ったからといって、がっつりでなくても大丈夫です。気持ちが乗ったとき、できるときにだけでもOKです。クラブに入るのも、ずっとでなくても、とびとびでもいいですし、たった一度の経験でもいいと思います。
ハイリド源氏倶楽部はシーズンごとに一旦終了して、シーズンごとに新たに入部者を募りますので、お好きなリズム・心地よい距離感でご参加ください。
*手書きのポテンシャル
もう一つ、ハイリド源氏倶楽部の大きな特徴は「手書き」すること。
ゆっくりと漢字を仮名にもどしながら、一文字づつ自分の手で書き写してゆく。多くの人にとって、そんな時間感覚はおそらくとても久しぶりのことでしょう。
原文といいつつ文章の中の大半の漢字も句読点も、後世の人が「当てはめた」もの。手書きで仮名にもどして書き写すというのは、いろいろ盛られた源氏物語をメークオフして素肌にもどしてゆく過程でもあります。
素の文章に戻しながら、自分自身の読む速度がゆっくりとなるにつれて、千年前の当時の時間の流れがシンクロし出します。今と過去の時間軸がぴったりと重なることで、隠れていた紫式部の超絶編集の数々が見え出してきます。
*AIを使わない理由
ハイリド源氏倶楽部では、自らの脳内にある経験や記憶とつながる「感じる」を深く体験したいために、「先入観を取り払う」ということを第一番にしています。AIは最先端でなおかつ最新の既存情報。つまり世間の先入観のダイジェスト。
ですので、あえて「AIを使わない、ネット検索をしない」ということをルールにしています。
AIとの馴れ合いについつい流れて、思考のプロセスを無自覚にAIに丸投げしがちな日常から離れて、こうした場を持つことが、これからますます貴重になると思います。
*京都行きます
「ハイリド源氏倶楽部」では、毎シーズンごとに源氏物語にまつわる京都の一日をご用意します。
京都には千年前の地名や通りの名がそのまま残っています。源氏物語のパノラマをリアルに感じる旅。ハイリド源氏倶楽部だからこそ可能な他では味わえないリアルな時空旅行です。
*春 葵祭 5月15日(金)
*夏 貴船 8月 2日(日)
*秋 三室戸寺 11月29日(日)
2026冬は、京都の南にあった幻の巨椋池と大原野神社へ行きました。
JRA 京都競馬場 (コース内側の池が巨椋池の名残)
2026.2.22 *撮影:森山智子
洛西にある大原野神社(京春日とよばれる藤原氏の守護神)
2026.2.22*撮影:森山智子
*2026春は定員13名
2シーズン目のハイリド源氏倶楽部では、冬から継続される方も、新たに入られる方も、ご自分のペースで源氏物語に分け入れるようにナビゲートします。
一千年の長きにわたって、多くの人に書き写されて、こうして今ここにある「源氏物語」。その時空の先端にいる私たち。イシス編集学校で学び守破離をくぐり抜けたからこそ取り出せる紫式部の編集術は極上です。
人生に「源氏物語」があってよかった。そう思えるきっかけとなりますよう。
離学衆で、なおかつ守・破師範代を経験されたみなさん。
やってみたい気持ちに気がついたら、どうぞお越しください。
多読アレゴリア「ハイリド源氏倶楽部」 ~先入観を取り払い源氏物語の原文をハイパーに読む~
【開講期間】2026年4月6(月)~6月28日(日) ★12週間
【申込締切】2026年3月30日(月)
【受講資格】千離衆かつ、守・破師範代経験者限定
【定員】13名
*ハイリド源氏倶楽部に限り、春夏秋冬のシーズンごとに一旦終了して、シーズンごとに新たに入部者を募ります。
(何度でも連続での入部もOKです)
【必須本】開講までにご用意ください
・『源氏物語』全九巻(岩波文庫)
・『新訂 官職要解』和田英松(講談社学術文庫)
・『古語辞典』40,000語以上収録のもの
・無地のノート(B5またはA5)と筆記具
【申込URL】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2026spring
※申込締切 2026年3月30日(月)
部長:森山智子(もりやまともこ)
イシス編集学校 師範・千離衆・BSE(ブックショップエディター)
アイキャッチ:「源氏物語絵屏風」花宴
(部分、国文学研究資料館蔵)
岩波文庫『源氏物語 (二)』表紙より
<ハイリド源氏倶楽部の記事>
森山智子
編集的先達:和泉式部。SE時代にシステムと着物は似ていることに気づき開眼。迷彩柄の帯にブーツを合わせる、洋服生地を帯に仕立てる等、大胆な着こなしをはんなり決める。イシスにも森山ファンは数多い。
2025年春から多読アレゴリアの「着物コンパ倶楽部」を主宰。
2026年冬の着物コンパ倶楽部 新入部員を募集します!【多読アレゴリア】
遊刊エディストをお楽しみのみなさま! イシス編集学校師範、多読アレゴリア着物コンパ倶楽部部長の森山智子です。 秋の別典祭では、黒留袖ファッションショーを開催して、黒留袖に秘められたコーディネイ […]
2026冬、ハイリド源氏倶楽部が生まれます!【多読アレゴリア★募集】
遊刊エディストをお楽しみのみなさま! イシス編集学校師範、多読アレゴリア着物コンパ倶楽部部長の森山智子です。このたび、2026年冬の多読アレゴリアでもう一つ新たなクラブを立ち上げますので、お仲間を募集します […]
【2025秋募集:着物コンパ倶楽部】秋は着物と源氏をデュアルに!
秋はいよいよ編集。 自分の「スキ」を取り出す方法の巻 というふうに、源氏読みや源氏体験にはいろいろのアプローチがあっていいのですが、でも王道中の王道は、やはり「歌」にカーソルを […]
【着物コンパ倶楽部】vol.4 2025夏からの新規会員を募集します★
こころあらむ 人に見せばや 津の国の 難波わたりの 春のけしきを 能因法師(後拾遺和歌集) みなさーん、こんにちわ。 多読アレゴリア:着物コンパ倶楽部の部長・森山智子です! 「夏 […]
Kimono話#03 アンティーク着物と細雪ごっこ(2/23)【着物コンパ倶楽部】
1月に続いて2月の最後の日曜日にもバジラ高橋さんの輪読座の裏で「モリヤマ流・きもの編集体験会」を開催しました。今回のテーマは「アンティーク着物と細雪ごっこ」。わたしも昭和の戦前のものと思われる祖母の着物を着 […]
コメント
1~3件/3件
2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。