科学と社会は切り離せない。「『情報の歴史21』を読む 佐倉統編」6月25日(火)開催!

2024/05/12(日)12:05
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科学技術に関わるということは、社会に関わるということなのだ。

 ー佐倉統『科学とはなにか』

 

2024年のアカデミー賞で、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』が作品賞をふくむ7冠を獲得しました。「原爆の父」オッペンハイマーの半生を描き、政治家でも軍人でもない科学者たちの活動が、いかに戦争の結末を左右し、歴史の転換点を生み出したかを炙り出しました。

 

科学を語る「第三の道」を手に入れよ

科学と社会は、切り離せない。だからこそ、専門家の言葉だけで科学を語るのではなく、そして素人の評価だけで科学を捉えるのでもなく、そのあいだにある第三の道を探る必要がある。そう訴えるのは、科学技術社会論研究者の佐倉統さんです

 

佐倉さんは現代の科学が過度に専門分化し、一般社会からどんどんかけ離れていくことに危機感を抱いています。「イアン・ハッキングが言うように、科学が変わると社会の制度や見方も変わります。だからこそ科学者ではない私たちも、科学を語る言葉を手に入れる必要があります」。打ち合わせで、こう力を込めて語りました。

 

『情報の歴史21』で科学技術の歴史を大掴み!

そんな佐倉統さんをゲストにお招きして、「『情報の歴史21』を読む 第14弾」を6月25日(火)19:30〜22:00に開催します。イベントでは『情報の歴史21』を用いながら、「科学を語る」ために押さえるべき科学技術全般の歴史を大掴みに語ってくださる予定です。

 

ガリレオから、ニュートンを経て、20世紀、そして21世紀の世界まで。科学技術はどう発展し、それと共に社会はどう変わってきたのか。『情報の歴史21』を読む」イベントシリーズでは、初の「科学」テーマです。ぜひこの機会をお見逃しなく、ご参加ください!


科学を多様な観点から見る、佐倉統さんの著作。
千夜千冊では、『現代思想としての環境問題』が取り上げられている。

 

 

<ISIS FESTA スペシャル『情報の歴史21』を読む 第14弾 佐倉統編>

■日時:2024年6月25日(火)19:30〜22:00

■参加費:リアル参加4,000円(税込4,400円)

     オンライン3,000円(税込3,300円)

■会場:リアル参加:本楼(世田谷区豪徳寺)

   オンライン参加:お申し込みの方にZOOM アクセスをお送りします。

   ※リアル参加もしくはオンライン参加のどちらかをご選択いただけます。

■定員:リアル参加につきましては先着20名となります。

■参加資格:どなたでもご参加いただけます。

■参加特典:お申込者限定のアーカイブ動画あり(視聴期間:1カ月程度)

■申込締切日:2024年6月24日(月) 12:00まで

■お問い合わせ:front_es@eel.co.jp

*『情報の歴史21』(書籍orPDF)をお持ちの方はご持参ください。

 

 ▶︎▶︎▶︎参加お申し込みはこちらから◀︎◀︎◀︎

 

<佐倉統さんプロフィール>

1960年、東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所、横浜国立大学経営学部、フライブルク大学情報社会研究所をへて、現在、東京大学大学院情報学環学科教授、理化学研究所革新知能統合研究センター・チームリーダー。 もともとの専門は進化生物学・霊長類学だが、進化生物学の理論を軸足に、生物学史、科学技術社会論に研究の軸足をうつし、現代社会と科学技術の関係を研究する。とくに3・11以降は放射能汚染や人工知能をめぐる科学技術と社会の関係について積極的に発言している。NHKの科学教育番組「サイエンスZERO」コメンテーターなどの経験をふまえ、東京大学科学技術インタープリター養成プログラムの教員も務めている。



 

  • 山本春奈

    編集的先達:レオ・レオーニ。舌足らずな清潔派にして、万能の編集ガール。定評ある卓抜な要約力と観察力、語学力だけではなく、好奇心溢れる眼で小動物のごとくフロアで機敏な動きも見せる。趣味は温泉採掘とパクチーベランダ菜園。愛称は「はるにゃん」。

コメント

1~3件/3件

若林牧子

2025-07-02

 連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
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