中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
2024年8月25日。第53期[守]基本コースは卒門日を迎えた。学匠・鈴木康代は、各教室を見守りながら、松岡校長の面影を追っていた。康代学匠は、松岡校長の編集的世界観のミームを託されてこの春発足したISIS_commissionのメンバーの一人でもある。
学匠として、53[守]の変わることと変わらないことを意識してきた。[守]の期中の勉強会伝習座ではこまつ座座長井上麻矢さんを迎えて特別講義「編集宣言」の冒険を語っていただいた。
守で得た編集の方法の先にあるものを学衆に届けたい康代学匠の想いがにじみでてくる。
そして、迎えた第84回感門之盟「25周年番期同門祭」DAY 1、第53期[守]の卒門式のはじまりに康代学匠はメッセージを語る。
「ことばをはじめて覚えたころのような幼な心を校長は大切にしていました。場と人と事と体験が一緒になっていくと同時にお題の懐かしさを思いだす先に用法はあるのです」
康代学匠は柔らかく、そして的確に守の意味を解く。
「みなさんは、守の38のお題を通して校長の思考のプロセスを体験したと思ってほしい」
「簡単に書ける回答は捨てていい。心の奥にある秘密基地やさみしかったことが表沙汰になることで体験にあらわれるのです」
校長の旅立ちが届いた格別の想いが重なる万感の想いを秘めつつ、
康代学匠は軽やかに言の葉を紡いでいく。
「校長は存在としてここにいます。みなさんのなかにその断片はあるはずです。ここからさらに校長の在を引き継いでいきましょう」
明日をともに歩むことを力強く呼びかける康代学匠の声が会場中に響く。
細田陽子
編集的先達:上橋菜穂子。綿密なプランニングで[守]師範代として学衆を全員卒門に導いた元地方公務員。[離]学衆、[破]師範代と歩み続け、今は物語講座&多読アレゴリアと絵本の自主製作に遊ぶ。ならぬ鐘のその先へ編集道の旅はまだまだ続く。
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