実験的書店空間「松丸本舗」が、第84回感門之盟「25周年 番期同門祭」で再現された。2日間限定の復活だ。
求龍堂『千夜千冊』全集の各巻のタイトルを大見出しにして作られた「本殿」コーナーの再現。
2009年から2012年まで丸善丸の内本店に存在した松丸本舗は、それまでにない本屋だった。
ダントツに逸脱。圧倒的密度の空間。ブックショップエディターは生きた本屋を編集する。お客様と本の間にバーチャルな本棚を即興でつくりだす(森山智子)。
松岡正剛が大事にしたのは本を文脈のなかに置くこと。ブックショップエディターは、しかるべき人に渡せるよう、本と人と場の関係を編集する(大音美弥子)。
ブックショップエディター(BSE)とは、松丸本舗で大活躍した本のコンシェルジュ。左から丸善CHIホールディングス取締役の野村氏と、BSEの川田淳子、大野哲子、森山智子、大音美弥子、小川玲子。
松丸本舗の本棚にむかうことは宝探しのようなものだ。隣り合わせになった本と本の関係を問いたくなる。ブックショップエディターはこのごっこ遊びにとことん付き合う。訪れたお客は孤独に楽しむことはできない。
ブックショップエディターが用意した「てんまる三冊」も見逃せない。「本棚は三冊セットで見る」という松岡正剛に倣い、キーブックとなる1冊と、それに寄り添う2冊をセットにし、その三冊にタイトルをつけた福袋だ。
生きて動く本屋「松丸本舗」を再生させたブックショップエディターによる関係編集を体感してほしい。
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阿部幸織
編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。
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