井上麻矢さんの『編集宣言』 舞台裏に駆けつけた【53守】

2024/05/31(金)17:30
img JUSTedit

 井上麻矢さんが、53[守]の舞台に出演する。そんな話を聞きつけ、ZOOMへと向かった。イシス編集学校の花形演題『編集宣言』が7月14日に本楼で開催される。田中優子さん、大澤真幸さん、武邑光裕さんに続く、4人目の登壇者は劇団こまつ座代表取締役社長の井上麻矢さんだ。12[守]胸中サンズイ教室の学衆であり、師範代とともに型を磨き、「編集学校では言葉を考える力を学んだ」と振り返る。こまつ座代表を継いでからはイシスで学んだ型とともに走り続けている。5月24日、学林局のメンバー、[守]の師範陣が麻矢さんとの打ち合わせに臨んだ。

 

 麻矢さんは私たちの前に顔を出し、特別講義の構想を滑らかな口調で話し出す。講義はこまつ座でプロデュースした映像を鑑賞しながら進んでいくようだ。これまで手掛けてきた企画では、「編集学校で学んだことを具現化してきた」と、守の型が身体に染み入っている語りぶりである。さらに「型を覚えなければ、型を壊せない」と、父井上ひさしの作品を徹底的に学び、井上ひさしの型を壊してきたと語る麻矢さんならではの演劇的な特別お題がプレゼントされるという。お題に臨めば、編集の型・実践術の真髄に迫れるはずだ。終始、麻矢さんが放つ、優しい眼差し・耳を傾ける力・語る勇気に胸が騒ぐのを感じた。そして打ち合わせ開始から僅か40分後、風のように芝居の世界に帰っていった。

 短冊揺らめく七夕の季節、劇団こまつ座と53[守]で化学反応が起こる。麻矢さんの仕事芝居術を学び、ちょっと粋な「たくさんのわたし」の物語が創発する、そんな情熱の舞台が約束された。

文/紀平尚子(53[守]師範)


特別講義の概要は以下の通り。

 

●イシス編集学校第53期[守]特別講義「井上麻矢の編集宣言」
●日時:2024年7月14日(日)14:00~17:00
●ご参加方法:zoom開催
●ご参加費:3,500円(税別)

  ※53[守]受講生は受講料に含まれています。
●申込先:https://shop.eel.co.jp/products/detail/717
  ※53[守]受講生は教室からお申し込みください。
●お問合せ先:es_event@eel.co.jp


どなたでも受講できます。ふるってご参加ください。たくさんのお申し込みをお待ちしています。

 

  • イシス編集学校 [守]チーム

    編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。

  • 週刊キンダイ vol.008 ~目指すのは南だ!~

    テスト・課題・就活には編集力が一番効く    学校のテスト結果に先がけて、55[守]番選ボードレール「一種合成」の講評が揃った。5日間にわたり届いた10本のほとんどに近大生の名前があった。やはり今期はひと味違う […]

  • 緊急開催!!! 特別講義「佐藤優の編集宣言」の読前ミーティング

    特別講義「佐藤優の編集宣言」(7月6日開催)まであと一週間という金曜、55[守]最初の番選ボードレールの講評のさなか、特別講義チームによるミーティングが開催された。   数日前に佐藤優さんから課題本『消された外 […]

  • 週刊キンダイ vol.007 ~二段重ねのおいしい1日~

    「この部屋、昼はこんなにまぶしかったんですね」    東京から駆け付けた学林局の衣笠純子が、教室を見てつぶやいた。6月17日、大阪は快晴。近畿大学・アカデミックシアターのACT-116はガラス張りで、午後の光 […]

  • オンラインに広がる「珠玉の一滴」~55守創守座~

    第2回創守座の特徴は、なんと言っても学衆のオブザーブだ。指導陣が一堂に会する場を、半分、外に開いていくというこの仕組み。第1回の創守座が師範代に「なる」場だとすると、この回では師範代になることを「見せる」場にもなる。オ […]

  • 週刊キンダイ vol.006 ~編集ケイコが行く!~

    かつて「ケイコとマナブ」というスクール情報誌があった。習い事である”稽古”と資格取得にむけた”学び”がテーマごとに並んでおり、見ているだけで学んだ気分になれたものだ。  今や小学生の約3人に2人は習いごとをしているが、 […]