銀河の音にセイゴオの声が重なる夜~玄月音夜會 第二夜 7月18日(金)開催

2025/06/28(土)12:00 img
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宇宙の果てに漂うような、郷愁の調べ。
星めぐりの音とともに、セイゴオが語りだす——。

 

松岡正剛の10回目の月命日に始まった、追悼記念企画「玄月音夜會」。
第一夜では、半世紀にわたる親交をもったあがた森魚さんが登壇し、タルホ、セイゴオに通じる「宇宙的郷愁」が、歌と語りとともに繰り広げられました。

そして次なる 第二夜は7月18日(金)に開催。
今回は、音と間(あわい)の名手、ピアニストの山下有子さんをゲストにお迎えします。

 

● 天才ピアニスト・山下有子による、宇宙と記憶の即興演奏

澄みきった水面のように、あるいは遠い星の呼吸のように。一度聴いたら忘れられない、音楽という名の「時間のきらめき」。
そんな山下さんのピアノが、松岡正剛の“銀河講義”と交差します。

セイゴオの伝説の「銀河講義」に、山下有子さんが星をめぐるようにピアノで忍び寄り、次第に講義と溶け合っていく——。
音と語りが交わる「星語り」に、あなたも耳を澄ませてください。

 

開催概要

日時:2025年7月18日(金)19:30開演(18:30開場)

会場:編集工学研究所 本楼(東京都世田谷区・経堂)

ゲスト:山下有子(ピアニスト・作曲家)

料金:
 ◎本楼ライブ参加:16,000円(税別)[飲食代込み・限定40名]
 ◎配信視聴参加:4,000円(税別)
 ※いずれも期間限定でアーカイブ視聴可能(申込者限定)

お申し込みはこちらから

 

本楼ライブ参加者だけの特別な愉しみ

休憩時間には、まほろ堂蒼月(宮坂)による季節の和菓子をご用意。今回は山下有子さんをイメージした一品が登場予定。

第一夜のお菓子。あがた森魚さんの歌「百合コレクション」と、演奏会後の懇親会を担当する白百合醸造さんにちなんだ「ユリ」を象ったもの

 

終演後には、白百合醸造(勝沼)のワインと、“食べる宝石”のようなフィンガーフードを囲みながら、ゲストを交えて語り合う懇親会も。

心と耳がほどけたところで味わうワインと言葉の余韻も、また格別です。

季節や旬の野菜によって趣向が変わるフィンガーフードは目にも鮮やか

 

ゲストプロフィール

山下有子  Yamashita Ariko /ピアニスト&作曲家

1歳前後から父親の手ほどきによりピアノで遊び始める。1980年代後半よりピアニストとして活動を開始。詩人、ダンサー、写真、人形、映像などとの即興コラボを重ね、1999年、辻仁成監督映画『千年旅人』サウンドトラックCD『kanata』でメジャーデビュー。映画はヴェネチア映画祭に正式招待される。その後、映画やTVドラマの音楽を作曲。2023年12月20日にリリースしたCD『inishie』ではあがた森魚氏の「赤色エレジー」をワルツ仕立てに編曲している。FM京都「アリコ ピータースレストラン」DJもつとめる。松岡正剛はデザイナー羽良多平吉氏を介して山下氏と出会い、以来、その音楽性を応援、主催イベントでのコラボレーションほか、親交を重ねた。

 

「セイゴオの言葉が恋しい」
「耳から感じる哲学を体験したい」
「音楽を通じて“宇宙”を聴いてみたい」

そんなあなたへ。
玄月音夜會は、一夜のための、宇宙の入場券です。音と語りの銀河鉄道に乗り込んでください。

 

  • 衣笠純子

    編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。