【88感門】おやつの秘密──甘味でひらく場の編集

2025/09/06(土)15:00 img
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 感門之盟の影で支えるは、場の切り替え装置「おやつ」だ。

 もてなしロールとして、わたくし若林牧子が、今回のおやつの「編集方針」をこっそり明かしたい。

 

 今回の「おやつ」は、感門之盟のタイトルからイメージした和菓子と洋菓子のダブルページ構成。空間と本と人を遊撃しようという趣向だ。

 

ひとつめのおやつは、『つばらつばら』。松岡校長の出身地・京都より、京菓匠・鶴屋吉信製のどらやきを取り寄せた。「つばら」は古語で「しみじみ、心ゆくまで」の意。二つ折りのどらやきは、本の扉が今まさに開こうとしている姿。

 粒あん味のほかに、田中優子学長の大好物「栗」あん味を、少々忍ばせた。粒あんと栗あんとのあいだに、ひそやかな対話が聞こえてくる。

 

 「インターブッキング」コーナーの時間に供すのは、ズバリ「お菓子」本。本に見立てたパッケージの扉を開くと、ページのように幾層にも焼き重ねられたバウムクーヘンが姿を現す。リアル本と菓子本を往来しながら、共読を深めてほしいという願いを込めた。

 

 味は全部で六種類。好きな本や気になる一冊を選ぶように、どの味に手を伸ばすかという楽しみがある。ふいに手にした「本」を、仲間と交換してみるのも面白い。そこからあらたな対話が生まれること請け合いだ。

 

 

 すべてが唯一無二。個々の存在が輝き満ちる場──それが、感門之盟だ。 20日(土)には、第89回感門之盟が控えているが、松岡校長にもちなんだ、55[守]ならではの唯一無二のおやつを用意した。どんなおやつか、楽しまれたし。

  • 若林牧子

    編集的先達:白洲正子。長身たまご顔にキュートな声、すきをつくる編集力と天然発言で、アシスタントにしたいNo.1師範。四国と東京をつないで活躍する食と農のコーディネーターでもある。通称は若まっこ。

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