『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
「もらっちゃったぁ」
2階の学林堂で待ち受けていた指導陣の感嘆の声の中、吉井優子は少女のように微笑みながらそう言う。
胸には愛おしそうに抱きしめる一枚の紙があった。
トワイライトは松岡正剛校長からかけてもらった言葉。「吉井はトワイライトだよ」。自分にはなかった言葉を与えられ、ずっと胸の内に秘めていたものが名前となって生まれた。
吉井は、44[花]では遊撃師範をつとめ、長年、花伝所の師範として師範代を育てていた立場だったが、実は、これまでに[守][破]の師範代に合わせて7回登板している。師範代に恋焦がれる師範だった。
初登板はうまくいかなかった。校長からは次の機があると言われた。
[守]のお題改変があると聞いた37[守]。[離]の受講よりも絶対に面白いと、師範代登板に手を挙げた。
3度目は、[離]を終える直前に師範代エントリー。[離]の渦中で[守]のお題の偉大さを知り、師範代へ戻ってきた。
4度目は、速習コース。開講3日前に師範代を引き受けた。
「師範代の方が絶対面白い。生きてる感じがする」
そう語る吉井は、この冬、ふとした拍子に怪我をし、息をしたり、食べることが困難になる体験をした。そんな時、一からやり直したくなったと言う。
教室名をもらうとは、新しく生まれ変わるということなのだと。
吉井の頭には、校長から初めて『アルカナ・ミザール教室』と名付けられた時にかぶっていた帽子があった。
5つ目の教室名は『泡立トワイライト教室』。
初心(未熟)と共にトワイライトに輝く学衆との新たな旅が始まる。
◆吉井優子師範代が指南する57[守]はコチラ
【講座名】 第57期[守]基本コース
【申込締切】 2026年4月26日(日)
【入門日】 2026年4月27日(月)
【受講期間】 2026年5月11日(月)〜2026年8月30日(日)
【定員】 200名
【詳細・お申込み】https://es.isis.ne.jp/course/syu
大濱朋子
編集的先達:パウル・クレー。ゴッホに憧れ南の沖縄へ。特別支援学校、工業高校、小中併置校など5つの異校種を渡り歩いた石垣島の美術教師。ZOOMでは、いつも車の中か黒板の前で現れる。離島の風が似合う白墨&鉛筆アーティスト。
表だと思ったところが裏になる。その逆も然り。イシス編集学校では、くるくるとその境界を行き来する。 花伝所の入伝生は全プログラムを終了し、裏も表も自在に往来する師範代のミチを歩みはじめる。裏側には何がある? 2月28日 […]
たどたどと揺れる火は、点ずる先を探していたのだろうか。内外に吹く風にかき消されぬよう、焚べられる薪を頼りに、今こそ燃えよと寄り合い、やがて気焔を上げる。 2日間のトレーニングキャンプを締めくくるのは、花伝所 […]
まるで吹き矢で射抜くようだった。 「いい加減、学衆の服は脱いでください」 「日常のスーツも脱ぎ捨ててください」 「あなたたちは、『師範代』です」 44[花]キャンプ2日目の朝は、指導陣からの檄 […]
キャンパーの多くが眠りについた頃、東の空には有明月が現れた。キャンプ場には44[花]のF・Kがひとり残っていた。 自分が考えてみたものを出すのって勇気が要りますね。 12月14日 02:44 [芭蕉庵]に、F・Kがろ組の […]
天空に突如生まれる割れ目。そこから、自分のきているTシャツをひっくり返しながら脱ぐように、ジョージ・ガモフのトポロジーの発想で人体を裏返すように、44[花]ラウンジ上に新たな「場」が現れた。[しをり座]と[芭蕉庵]だ。そ […]
コメント
1~3件/3件
2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。