一字の奥に宇宙あり――『酒上夕書斎』白川静の漢字世界をめぐる(3月31日16:30|Youtube LIVE)

2026/03/24(火)08:00 img
img JUSTedit

夜の書斎に灯りがともり、グラスのなかでゆっくりとワインが揺れる。一字の奥には、まるで宇宙のように広がる世界がある。 本を開くとき、人はただページをめくるだけではありません。そこに刻まれた言葉や文字の奥に、遠い時代の思想や世界観が静かに立ち上がってくる――。

 

そんな“本の深層”に分け入る時間が、田中優子による読書のひととき「酒上夕書斎」です。このシリーズでは前回から、編集工学の提唱者である松岡正剛の著作を手がかりに、日本の知の系譜をたどっています。

 

今回取り上げる松岡正剛の一冊は白川静 漢字の世界観』

 

そこに登場するのは、漢字研究の巨人白川静です。白川静は、漢字を単なる文字の体系としてではなく、古代人の祈り、祭祀、政治、そして死生観までを刻み込んだ“文明の記録”として読み解きました。

 

骨に刻まれた甲骨文字。青銅器に鋳込まれた金文。その字形の奥には、神に祈る儀式や、国家の始まりをめぐる記憶が潜んでいる。白川静は、漢字のかたちから古代の世界観そのものを復元しようとしたのです。

 

松岡正剛は、白川静を東洋の神髄を文字から解明した人として千夜千冊987夜に記しています。一字のなかに、祭祀があり、神話があり、文明がある。漢字とは、数千年にわたる人類の経験が折り重なった“編集物”である。

 

では、その壮大な漢字世界を、江戸文化研究の第一人者である田中優子はどのように読み解くのでしょうか。江戸の言葉遊び、戯作、浮世絵、洒落本。日本文化が育ててきた文字の感覚と遊びを知り尽くした田中優子が白川静の漢字宇宙に向き合うとき、どんな視界がひらくのか。

 

「酒上夕書斎」――グラスを傾けながら、一冊の本から広がる知の宇宙を旅する夜。今回は、漢字という文明の深層に分け入る一冊をめぐって、静かで刺激的な読書の時間が始まります。

 


◆ 酒上夕書斎 第九夕
日 程:2026年3月31日(火)

時 間:16:30~(生配信)

出 演:田中優子(イシス編集学校 学長/法政大学 前総長/江戸文化研究者)

会 場:ゴートクジ イシス館 応接室より生中継

配 信:YouTube LIVE にて無料配信

URL:https://youtube.com/live/eqoXb7J0R7U


 

  • 衣笠純子

    編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。