「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。

コーナー名も進化する。新師範代が教室名を授かる「教室名発表」は、今期から「冠界式」と名付けられた。イシス編集学校の唯一無二の教室名は、松岡正剛の手によるもの。新師範代が千夜千冊数寄3夜を選び、教室名案を5つ提出。それを校長松岡正剛がリミックスしたものが、学衆の出会う教室名となる。
感門では、イシスに入門したものの一番の晴れ舞台を、ドラム浅羽登志也とキーボード梅澤光由による”the ISIS”なるユニットが一曲ごとに異なる演出で盛り上げる。
▲ときにピタゴラスイッチ、ときにベートーヴェンの運命、ときに唱歌「雨降りお月さん」まで。浅羽はドラムに飽き足らず、農ばさみでザリガニの真似をし、梅澤は弾きそうで弾かないという無音を表現とするなど、音楽の枠を超えた演劇的メディエーションに磨きがかかっている。
教室名を受け取った新師範代は「え?!」と絶句する者から、笑いだす者、そして「世間に喧嘩を売りにいくんでしょうか」と震える者まで。
2022年3月21日、第78回感門之盟でお披露目となった新教室名は19。松岡自身が「乾坤一擲」と心を込め、編集の粋を尽くした教室名を、松岡直筆のカードとともにご覧にいれよう。
◆宮坂由香師範代 / 感応おにぎり教室
◆古澤正三師範代 / 脱皮ザリガニ教室
◆小松原一樹師範代 / 八段プラモデル教室
◆森重実師範代 / 配線うなる教室
◆滝沢章師範代 / 切実ゲノム教室
◆三浦純子師範代 / ピッピ乱反射教室
◆安田晶子師範代 / キジトラ疾走教室
◆寺田悠人師範代 / アニマ臨風教室
◆野住智惠子師範代 / 男装いとをかし教室
◆総山健太師範代 / ライ8反攻教室
◆船山一樹師範代 / 三叉毘沙門教室
◆福井千裕師範代 / きざし旬然教室
◇ ◇ ◇
コーナー中盤では、浅羽・梅澤の”the ISIS”に、トイピアノを持ったイシスのマエストロ上杉公志が乱入。タブロイドに掲載された校長メッセージ「リミックスな三毛猫になりなさい」にちなんで、トリオで「ねこふんじゃった」を軽快にリミックス。
◇ ◇ ◇
◆古谷奈々師範代 / にじゆら発色教室
◆齋藤彬人師範代 / 赤いランドセル教室
◆大塚信子師範代 / 唐傘さしていく教室
◆西村宜久師範代 / ニシダ鳥肌教室
速修コース
◆辻井貴之師範代 / 渇望ネオモード教室
◆三津田恵子師範代 / かく書く然り教室
◆相部礼子師範代 / 忖度しないわ教室
新師範代を代表して、にじゆら発色教室師範代古谷奈々が挨拶に立った。古谷は、ロジカルシンキングに嫌気がさしてイシスに入門したという。当然というべきか、[守]も後半の用法3のとき、アナロジカルな思考を鍛えるお題で行き詰まる。そのとき師範代は古谷に言った。「意外性とは、スタバで『きつねうどん』と注文するようなもの」 これほどに意外でよいのかと古谷は目が開いた。
花伝所で身体が動かないときもそうだった。「師範はつねに、動くように指導してくれた」「そして、たった1ミリ動いたことでも、師範は評価してくれた」 自分自身よりも、自分の変化を読み取ってくれる指導陣が、イシスにはいるのだ。
古谷の語りに、ソファに身を沈めた校長松岡が大きく頷いていた。49[守]でも猛烈なにじみやゆらぎが生まれること間違いない。
文:松原朋子、梅澤奈央
写真:上杉公志、梅澤奈央
命名・カード作成:松岡正剛
■49期[守] 〆切迫る
・応募締め切り:2022年4月18日(月)
・開講期間:2022年4月25日(月) ~2022年8月21日(日)
お申し込みはこちらから
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-10-07
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美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。