52[破]突破式では、初めて破の師範、番匠のロールをつとめた4名へ、「玄々書(げんげんしょ)」が贈られた。松岡校長の書を使いつつ、穂積晴明方源がそれぞれの師範、番匠の「らしさ」を軸にデザインを施した趣のある書となっている。原田学匠から、メッセージも添えて手渡された書はこちら。
◆桂大介 師範 書「銀破」(ぎんぱ)
ひとつのところに留まらず、たくさんの私を実践している桂大介師範に贈られたのは「銀破」の書。ゴールドではなく、月の輝きの銀が桂師範らしいと校長も考えるのではないかという言葉も添えられた。やわらかい光がこれからも破の師範代たちを照らしてくれるだろう。
◆小林奈緒 師範 書「粹破」(すいは)
すっきりと艶やかな語り口を校長も誉めていたという小林奈緒師範には、その佇まいに重ねて「粹破」の書が贈られた。粹(いき)な破の師範として、これからも活躍していってくれることは間違いない。
◆吉田麻子 師範 書「観破」(かんぱ)
物語の素晴らしい書き手である吉田麻子師範。記憶のなかの印象的なシーンをしっかりと焼き付け、物語を書くときなどにそれを取り出して活かしている観察眼の高さから「観破」の書が贈られた。
◆白川雅敏 番匠 書「発句番」(ほっくばん)
プロの編集者でなんでもできる白川雅敏番匠には、連句の最初の五・七・五である発句(ほっく)のように、破のリーダーとして口火を切っていってもらいたいという思いも込めて「発句番」の書が贈られた。どこか可愛らしい字にも、白川番匠らしさが漂っている。
スタイリッシュに艶やかに、記憶を物語に込めて、口火を切っていく指導陣たち。これからの破講座も楽しみだ。
ビジュアルデザイン:穂積晴明
米田奈穂
編集的先達:穂村弘。滋賀県長浜出身で、伝統芸能を愛する大学図書館司書。教室名の「あやつり近江」は文楽と郷土からとられた。ワークショップの構成力に持ち前の論理構築力を発揮する。