56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
ほんのれんラジオの最新エピソードが公開されました!
イシス編集学校で世界読書奥義伝[離]まで了えた4名(ニレヨーコ、おじー、はるにゃ、ウメコ)がお送りするほんのれんラジオ。
vol.21の問いは、「なぜ、わかりあえないのか?それぞれの物語を越えて」です。
今回は、ほんのれんオリジナル小冊子「旬感ノート」から、
ほんのれん編集部 編集長仁禮洋子(編集工学研究所チーフエディター)のまえがきを公開します。
▼異なる物語に橋をかける
なぜ人はこうもわかりあえないのか? 選挙や戦争といった国家の問題から、職場や家庭のいざこざまで。
近しく感じる人々のあいだでも、人はみな違った「物語」の中で生きている。
千野帽子『人はなぜ物語を求めるのか? 』(旬感本2/P.10)によると、
物語とは時間の流れの中で世界を把握するための、認知のフォーマットだ。
我々は「あの経験のおかげで(せいで)、今の自分がある」とか「人は死んだら、星になる」というように、何かしらの因果を結びつけて物語を紡ぐ。
物語はときに不合理な世界を生きぬくよすがになる一方で、思い込みや決めつけを産む足かせにもなりかねない。
私たちは、世界を、そして自分の人生を自分なりに解釈しながら、それぞれの物語を生きている。
「私の物語」を越えて互いの「わかりあえなさ」の淵に橋をかけるには、どうすればいいのだろう?
5冊の本をヒントに、物語の力を知り、異なる物語を受け止める方法を探索してみたい。
ほんのれんラジオVo.20 民主主義回を終えて/お題「選挙を何と言い換える?」名回答のご紹介!/芥川龍之介”藪の中”的な感覚ってない?/わかりあえないんじゃない、わかりあいたくない/わかるの2つの意味/まず自分のいる物語を考えるのがいい/物語という方法/企業の物語/ユスキュルの”環世界”/マダニが見ている世界って?/今井むつみさん 物語≒”知識の枠組み”,”スキーマ”,”思い込み”/これって編集学校のエディティングモデルっぽい/物語回路(人間の認知フォーマット)が側にいる/3歳~5歳の脳/アンパンマンをインストールする/千野帽子さん ストーリー=”人間が世界を、出来事のシークエンスとして把握した脳内表現である”/ストーリーテリングアニマル
オマケメモ 物語回路の話(物語を紡いでしまう回路が脳にある!)
物語=人間の認知に組み込まれたひとつのフォーマット。事象の前後関係で世界をみるという認知方法は3歳くらいに完成する、と言われている。
3歳前後に幼児期健忘→シナプスの刈り込み→パターン化→発話の構文が固定される→3~5歳 記憶が発生する
第一次物語回路(自分に起こったことに基づく物語回路)から第二次物語回路(借り物の物語、他の人の話から影響されて新しい物語をつくっていく)へ
- 『物語編集力 人を動かす。仕事をつくる。』松岡正剛監修 イシス編集学校構成 ダイヤモンド社 2008
▼今回のエピソードで登場した本はこちら
・『物語編集力 人を動かす。仕事をつくる。』松岡正剛監修 イシス編集学校構成 ダイヤモンド社 2008
▼「なぜわかり合えないのか? 物語を超えて」を考える
「ほんのれん」旬感本はこちらの5冊!
(1)『ストーリーが世界を滅ぼす─物語があなたの脳を操作する』ジョナサン・ゴットシャル(著) 月谷真紀(訳)
東洋経済新報社 2022
(2)『人はなぜ物語を求めるのか』千野帽子(著) 筑摩書房 2017
(3)『神話の力』ジョーゼフ・キャンベル&ビル・モイヤーズ(著)飛田茂雄(訳) 早川書房 2010
(4)『他者と働く─「わかりあえなさ」から始める組織論』宇田川元一(著)NewsPicksパブリッシング 2019
(5)『断片的なものの社会学』岸政彦(著) 朝日出版社 2015
ほんのれんラジオ、noteあります。
旬感ノート画像もご覧になれますので、ぜひフォローしてください。
テーマごとにまとめてありますので、復習にも便利です。
ほんのれん編集部
編集工学研究所×丸善雄松堂が提供する一畳ライブラリー「ほんのれん」の選書やメディア制作を手掛けるメンバー。関西弁で跳ねるデザイン知カンガルー・仁禮洋子(ニレヨーコ)、小鳥の風貌ながら知的猛禽類な山本春奈(はるにゃ)、昭和レトロを愛する果敢なコンパイル亀・尾島可奈子(おじー)、2倍速で情報収集する雑読チーター・梅澤奈央(ウメコ)ほか。ほんのれんラジオは毎週水曜更新中。ほんのれん編集部公式noteにこれまでのアーカイブを蓄積してます。https://note.com/honnoren/
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