飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。

鈴木康代学匠のメッセージに聞き惚れ、少し紅潮した54[守]20名の師範代が順番に舞台へと上がった。15週間を駆け抜けた師範代には、師範から労いの言葉を紡いだ感門表と、それぞれのために選ばれた先達文庫が贈られるのだ。手にした一冊の本は、寿ぎの場に集まった学衆に広がるどよめきと拍手と共に、師範代たちに次の一手を打つためのアフォーダンスとなる。
感門表が渡された順に紹介しよう。
54[守]先達文庫
◆榎田智子師範代 (半音タトゥー教室)
『不良少女伝』 平山亜佐子/ちくま文庫
◆木村昇平師範代 (うごめきDOHATSU教室)
『孔子暗黒伝』 諸星 大二郎/集英社文庫
◆松田秀作師範代 (たまむしメガネ連教室)
『司馬遼太郎の「跫音」』 関川 夏央/岩波現代文庫
◆福地恵理師範代 (ウルフル弘法教室)
『アインシュタイン回顧録』 アルベルト・アインシュタイン/ちくま学芸文庫
◆細井あや師範代 (カタコト黄表紙教室)
◆辻和子師範代 (つくつく少納言教室)
『折々のうた 三六五日』 大岡 信/岩波文庫
◆藤井宏行師範代 (展色ヴィンテージ教室)
『異邦の香り ネルヴァル『東方紀行』論』野崎 歓/講談社文芸文庫
◆美濃万里子師範代 (なのはなドロシー教室)
◆小林美穂師範代 (モウソウ縁子さん教室)
『古典落語 志ん生集』 古今亭志ん生/ちくま文庫
◆村上直也師範代 (生成りなのに教室)
『新装版俳優のノート』 山﨑 努/文春文庫
◆上原正行師範代 (中ゴシABC教室 )
『雪のひとひら』ポール ギャリコ/新潮文庫
◆登田信枝師範代 (半解マイカ教室)
『お嬢さん放浪記』 犬養道子/角川文庫
◆長谷川絵里香師範代 (センス歩く教室)
『江戸とアバター』 池上英子・田中優子/朝日新書
◆関博一師範代 (サルサしかかり教室)
『生命とリズム』 三木 成夫/河出文庫
◆梁島綾乃師範代 (やぶこぎ博物教室)
『猫の客』 平出 隆/河出文庫
◆竹内哲也師範代 (アゴーン・ブラザーズ教室)
『能の読みかた』 林 望/角川ソフィア文庫
◆儀三武桐子師範代 (お伽まばたき教室)
『灯台へ』 ヴァージニア・ウルフ/新潮文庫
◆北川周哉師範代 (ちぐはぐ夕顔教室)
『ロウソクの科学』 ファラデー/角川文庫
◆松林昌平師範代(遊狂RNA教室)
『友情〜平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」』山中 伸弥・平尾 誠二・惠子/講談社文庫
◆小湊倫子師範代 (チリモンどんたく教室)
『子どもの図書館』 石井 桃子/岩波現代文庫
安田晶子
編集的先達:バージニア・ウルフ。会計コンサルタントでありながら、42.195教室の師範代というマラソンランナー。ワーキングマザーとして2人の男子を育てあげ、10分で弁当、30分でフルコースをつくれる特技を持つ。タイに4年滞在中、途上国支援を通じて辿り着いた「日本のジェンダー課題」は人生のテーマ。
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コメント
1~3件/3件
2025-08-16
飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。
2025-08-14
戦争を語るのはたしかにムズイ。LEGEND50の作家では、水木しげる、松本零士、かわぐちかいじ、安彦良和などが戦争をガッツリ語った作品を描いていた。
しかしマンガならではのやり方で、意外な角度から戦争を語った作品がある。
いしいひさいち『鏡の国の戦争』
戦争マンガの最極北にして最高峰。しかもそれがギャグマンガなのである。いしいひさいち恐るべし。
2025-08-12
超大型巨人に変態したり、背中に千夜をしょってみたり、菩薩になってアルカイックスマイルを決めてみたり。
たくさんのあなたが一千万の涼風になって吹きわたる。お釈迦さまやプラトンや、世阿弥たちと肩組みながら。