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1月4日(日)20時。多くの人が「あ、ジブリ?」と思ったに違いありません。秀吉といえば「猿」。ではありますが、まさか、その猿を全面に出してのオープニング。
さて歴史をふかぼれば宝の山。史実と史実の間にこぼれ落ちたものにこそ真実が宿る、かもしれない!? 歴史と遊ぶ方法を大河ドラマにならう多読アレゴリアのクラブ「大河ばっか!」。クラブの面々を率いる筆司の二人が、今週のみどころをお届けします。
第一回「二匹の猿」
平安時代(「光る君へ」)、江戸時代中期(「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」)ときて、久しぶりの戦国時代。登場人物の装いがどこか懐かしい。これよ、これ、大河ドラマの王道──、と思いきや、物語は冒頭からのんびりとした喧嘩の仲裁話で始まりました。「三方一両損」の大岡裁き、とまではいきませんが、双方を納得させる裁きは、早くも秀長(この時代は小一郎)の「らしさ」を物語ります。
おまけに「戦にはいきたくない」。理由は、戦場の盗人になりたくないから。この家では、ことに「盗人」という言葉は禁句らしい。8年前に長兄の藤吉郎が村の有力者から仏画を盗んで逐電した過去があるから。藤吉郎を死んだことにして、ようやく村人の目が和らいだのに、その兄が生きて帰ってきたのです。
そのお調子者の兄とともに、ひょんなことで織田信長の城下・清洲に行くことになった小一郎ですが、金稼ぎのために出た道普請の現場では、土砂崩れで塞がれた道を一夜で通すために知恵を絞り、盗みに入った筈の男が「盗賊を見回っていた」と言い逃れようとした嘘を見抜く。
知恵者・小一郎のエピソードがふんだんに詰め込まれた回でした。
なぜにここまで、となると、次の一節が頭をよぎりました。
「この人」の生きた時代は、日本史上最も多く文芸作品のスターが生れた時代なのだ。にもかかわらず「この人」については、史家も講談師も奇妙なほどに語りたがらない。
堺屋太一『豊臣秀長 ある補佐役の生涯』
確かに戦国時代末期といえば大河ドラマでも何度も取り上げられている時代。ですが、秀長はいつも秀吉の陰にいる。太陽のような兄に対して、月のような存在です。
では大河ドラマ35作目のずばり『秀吉』(主演:竹中直人)の原作者でもある堺屋太一はなぜ、この秀長を主人公にとりあげようとしたのでしょうか。
組織の首長は、人材を求め、人材を育てようとする。よきスタッフ、よき専門家を捜す。よき後継者を育てようとする。だが、よき補佐役を捜し育てようとするトップは、必ずしも多くはない。そしてそれ以上に補佐役たろうと志す者は少ない。
(中略)
この意味で、きわめて脆弱な組織の中で終始よき補佐役を勤め抜いた「この人」──豊臣秀長──は、日本史上稀にみる存在であり、現代において最も望まれる人材だったような気がする。
私が、あまり書かれなかった「この人」を、敢えて描こうとしているのはこのためである。
堺屋太一『豊臣秀長 ある補佐役の生涯』
誰もが主役になりたがる中で、ナンバー2であり続けることを選んだからこそ、逆に主人公としてとりあげる価値があるのではないか。今回の大河ドラマは、その問いを正面から引き受けようとしているように見えます。天下を取る「天下人」の物語ではなく、天下を支えた者の物語が始まるのでしょうか。
大河ばっか組! は今年も伴走、滑走していきます!(今年は土曜日のお昼にお届けする予定です)。
大河ばっか組!
多読で楽しむ「大河ばっか!」は大河ドラマの世界を編集工学の視点で楽しむためのクラブ。物語好きな筆司たちが「組!」になって、大河ドラマの「今」を追いかけます。
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コメント
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