午年には馬の写真集を。根室半島の沖合に浮かぶ上陸禁止の無人島には馬だけが生息している。島での役割を終え、段階的に頭数を減らし、やがて絶えることが決定づけられている島の馬を15年にわたり撮り続けてきた美しく静かな一冊。
岡田敦『ユルリ島の馬』(青幻舎)
本は最初から最後まで読むもの? 必ずしもそうではありません。本はひとりで読むもの? これもそうとは限りません。読書はもっと自由で多様です。本はどこで読んだって、どこから読んだっていい。
松岡正剛いわく《読書はコラボレーション》。読書は著者との対話でもあり、読み手同士で読みを重ねあってもいい。
そこで、相互編集&つまみ読みを軸にした新しい書評スタイル――1冊の本を3分割し、3人それぞれで読み解く「3× REVIEWS」を用意しました。最近上梓され、たちまち増刷された、安藤昭子(編集工学研究所 代表取締役社長)による話題の書『問いの編集力』(ディスカヴァートゥエンティワン)を、チーム渦の3人の分担書評で紹介します。
■1 「問い」が気づかせる“私の可能性”
第1章 「問い」の土壌をほぐす:Loosening
第2章 「問い」のタネを集める:Remixing
なぜ「問い」を問わねばならないのか。この大きな問いに対し、「3×REVIEWS」トップバッターの吉居は、「問う主体である私」をメタフォリカルに語り直す。
■2 「観の目」で本から問いを呼び込む
第3章 「問い」を発芽させる:Emerging
吉居は問いの正体を「動く私を自覚する」ことだと見た。ではどう見るか。2番手の柳瀬はこれを受け、「観の目」を持ち込む。
「問い」は、物事とわたしの「間」を観る力だ。(柳瀬浩之)
■3 私たちは「問う人」であった
第4章 「問い」が結像する:Discovering
第5章 「内発する問い」が世界を動かす
「観の目」は、眼鏡でもあり、ナイフでもある、と3番手の角山は捉えた。では世界を変える「問い」の使い方とは?
「問い」は私たちを“人”にする。(角山祥道)
『問いの編集力 思考の「はじまり」を探究する』
安藤昭子著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2024年9月20日発行/2090円
■目次
はじめに なぜ「問い」を「問う」のか
第1章 「問い」の土壌をほぐす:Loosening
第2章 「問い」のタネを集める:Remixing
第3章 「問い」を発芽させる:Emerging
第4章 「問い」が結像する:Discovering
第5章 「内発する問い」が世界を動かす
おわりに 「問う人」として
■著者Profile
あんどう・あきこ/編集工学研究所代表取締役社長、[AIDA]プロデューサー。出版社時代にイシス編集学校に入門。守破離のコースを経て2010年編集工学研究所に入社。2021年より同社社長。企業・学校・地域など編集工学を多岐にわたる領域に実装・提供する。著書に『才能をひらく編集工学』、『探究型読書』。
「問う」ことは、これまでの一様の世界を多様にする。いいかえれば「世界の数だけ、わたしがいる/わたしの数だけ、世界がある」ということだ。
10月28日に開講する、イシス編集学校の入門コース[守]では、「たくさんのわたし」という編集稽古を体験する。「問い」の数だけ世界が拡張する感覚、「たくさんのわたし」から世界を見る体験を味わってみてはいかがだろうか。
◆イシス編集学校 第54期[守]基本コース募集中!◆
稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu
エディストチーム渦edist-uzu
編集的先達:紀貫之。2023年初頭に立ち上がった少数精鋭のエディティングチーム。記事をとっかかりに渦中に身を投じ、イシスと社会とを繋げてウズウズにする。[チーム渦]の作業室の壁には「渦潮の底より光生れ来る」と掲げている。
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曖昧さ、矛盾、くねくね、非効率……。どれもこれも、ビジネスシーンでは否定されがちです。それよりもロジカルに一直線。社会の最前線で闘ってきた竹廣克さんならなおさらのことです。 ところが、イシス編集学校の[守][破]で学んで […]
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コメント
1~3件/3件
2026-01-12
午年には馬の写真集を。根室半島の沖合に浮かぶ上陸禁止の無人島には馬だけが生息している。島での役割を終え、段階的に頭数を減らし、やがて絶えることが決定づけられている島の馬を15年にわたり撮り続けてきた美しく静かな一冊。
岡田敦『ユルリ島の馬』(青幻舎)
2026-01-12
比べてみれば堂々たる勇姿。愛媛県八幡浜産「富士柿」は、サイズも日本一だ。手のひらにたっぷり乗る重量級の富士柿は、さっぱりした甘味にとろっとした食感。白身魚と合わせてカルパッチョにすると格別に美味。見方を変えれば世界は無限だ。
2026-01-08
イスラエルで起こっていることから目をそらすな、ガザの惨劇に目を向けよ、…と言いたいのは山々なのだが、そう、ことは簡単にはいかない。SNS時代の自意識というのか、冷笑系のセルフつっこみとの戦いが待っている。令和の社会派は、なかなか大変なのだ。
夕暮宇宙船『未題』は、pixivサイトでも無料で読めるが、書籍版(『小さき者たちへ』)もアリ。売り上げはパレスチナ支援に充てるとのこと。