飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。

「らしさ」は守の主題だけに、本気でむつかしい。かつて伯楽と呼ばれた師範は語った。
この「らしさ」に真っ向勝負を挑んだのは、48[守]平時有事教室師範代、石黒好美である。
ターゲットは12月12日の汁講。開講してから3週間で交わしたテキストだけを手がかりに、学衆の似顔絵を描くというのだ。
汁講当日は参加者にカメラオフでZoomに入るというルールを課した。似顔絵をお披露目したのちにカメラオン。画面上で「ほんと」と「つもり」が並ぶ演出も万全だ。
「Tさんは、ちゃんとした高田純次だと思うんですよね~」との前振りで似顔絵を投影する石黒。現れたTさんはこの通り。
この日に似顔絵を用意した理由を石黒は語る。「『コンテンツの秘密』という本に、アニメのキャラクターは、人間のアタマの中にいる人や動物を模倣していると書かれていました。だったら顔を見なくても似顔絵は描けるはずだと試してみたんです。カブキのお題で稽古した“らしさ(略図的原型)”は、物事の本質に一気に到達する力を持っています」。似顔絵は本質に到達できたのか。汁講で発せられた学衆の言葉と並べてみよう。
石黒「Aさんの回答はキラキラしている」
Aさん「日々のお題をみて、調べることが当たり前になった。何かが起こった時に流さないようになってきた」
石黒「毎日お仕事頑張っている男子」
Mさん「週末まとめての回答になりがちだけど、毎日続ける方法を見つけたい」
石黒「Nさんは絶対クールビューティー」
Nさん「夜型なので、寝る前にお題を見て、朝から考え、翌日の夜には回答を返せます」
石黒「自信あったんだけど、似てない?おかしいなぁ」
Yさん「創造的な人は意味の遠いものを組み合わせるのが得意なんです」
石黒「師範代以上に教室を見てくれています」
Sさん「師範代が常に動いていて、具体的な糸口をすぐにもらえ、稽古のペースが保ててます」
参加者からは「ホントにキラキラだ!」「メガネはないけど感じ出てる」「内面はこうかも」などの声が挙がった。
速修コースは用法3に入った。「不足もきっちり伝える師範代になる」と宣言した石黒の指南と「らしさ」の力を目撃した学衆の回答がアナロジカルウェイで響きあう。
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
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コメント
1~3件/3件
2025-08-16
飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。
2025-08-14
戦争を語るのはたしかにムズイ。LEGEND50の作家では、水木しげる、松本零士、かわぐちかいじ、安彦良和などが戦争をガッツリ語った作品を描いていた。
しかしマンガならではのやり方で、意外な角度から戦争を語った作品がある。
いしいひさいち『鏡の国の戦争』
戦争マンガの最極北にして最高峰。しかもそれがギャグマンガなのである。いしいひさいち恐るべし。
2025-08-12
超大型巨人に変態したり、背中に千夜をしょってみたり、菩薩になってアルカイックスマイルを決めてみたり。
たくさんのあなたが一千万の涼風になって吹きわたる。お釈迦さまやプラトンや、世阿弥たちと肩組みながら。