守護神の如くいつだって[守]稽古の現場に張っているのが52[守]で番匠を務める景山和浩だ。秘めたる涙もろさと機を逃さぬ俊敏さを武器に、近大生の編集稽古ドキュメントを連載し、エディストを席巻しようと目論んでいる。第3回は12月28日に行われた「番ボー秘密稽古」をレポートする。
「あのちゃん」っぽくて「和三盆」。「ファンデーション」でもあり「サンバ」なもの。なぞなぞではない。お題から広げた連想である。
お待たせしました、近大景山組ドキュメント。1カ月ぶり3回目…だが、その間、伝習座、第1回番選ボードレール(番ボー)が過ぎ、講評が届き、汁講が開かれ、気づけば年の瀬、蛍の光に除夜の鐘。チャンスはいくらでもあったのに、牛歩なペース。ボーっと生きてんじゃねーよ!と叱られそう。
久しぶりなので、近大生の近況を。稽古を進めているのは数人。寂しい。しかし第1回番ボーでは金賞・銀賞に1人ずつ輝くなど大活躍だった。12月に入って復活した学生もいる。せっかくの冬休み、もっともっと戻ってきてほしい。
12月28日には、025番「即答・ミメロギア」が出題。第2回番ボーが始まった。エントリー期限は1月7日22時。年をまたぎ、回答・指南が飛びかう10日間だ。近大生、いざ番ボーへ!
その28日夜、「祭りだ!番ボー秘密稽古」と銘打った近大生の交流会が開かれた。Zoomに集った学衆は、景山組の水上亮輔さん(カミ・カゲ・イノリ教室)、阿曽組の佐々木さん(蒸着パズル教室)。特別ゲストとして51[守]を卒門し、51破を受講中の近大生、古川希大さんが参加してくれた。水上さんと古川さんは、近大図書館サポーター「アプリコット・コンシェルジュ」に所属している。イシス歴は古川さんが早いが、学校では水上さんが先輩なのだそうだ。
指導陣は、稲森久純・阿曽祐子・景山和浩の近大番に、学林局から衣笠純子の4人。稲森がスライドを用意し、番ボーは「調査→量産→推敲」の三間連結だと力説する。自身の入選作、師範代を務めた50[守]釣果そうか!教室の作品も披露し、ミメロギアのコツを説明。そして実際やってみようとワークに入る。6つあるお題の一つをそれぞれ自由に選び、全員で回答する。最初こそ即指南で応じていた近大番だが、だんだん無口に。全員が熱中している。やり始めると考えずにはいられない。これがミメロギアの魅力なのだ。
古川さんは「メモ書き」と言いながら、コンパイルから始めている。まずは「調査」が大事。
水上さんは韻を踏むのがうまい。語呂、リズム感はとても大切な要素だ。コツをつかんでいる。
佐々木さんは発想豊かにイメージを広げる。冒頭の「あのちゃん」「和三盆」「ファンデーション」「サンバ」は、実は佐々木さんがお題の「粉雪」から連想したもの。近大番がヒントを出すが、はるかにいい回答になって返って来る。近大番冥利につきる、うれしいキャッチボールの時間となった。
「イシス編集学校はとても楽しい」と、佐々木さん。「もっと交流したい」とも発言してくれた。すぐに古川さんが「勧学会にも注目を」と応じる。「汁講など行事のお知らせもあるし、稽古のヒントも届く。教室同様に注目するといいですよ」。さすが先輩、いいことを言う。
交流会は1時間半の予定をオーバーして終わった。最後に水上さんが「やりますよ」とひと言。短い分、決意の強さを感じる。参加した2人のチャレンジに注目したい。欠席した近大生の番ボー参加ももちろん期待している。イシス編集学校校長の松岡正剛も「すべてをチャンス・オペレーションとする」と話す(校長室方庵)。
稽古三昧の正月なんて、そう味わえるものではない。チャンスをつかみ回答に向かおう。ボーっと生きてんじゃねーよ!と叱られるのはわたしだけで十分だ。
景山和浩
編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。
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