チャット欄は花盛り――創守座の学衆たち

2025/12/09(火)12:12 img
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番選ボードレール(番ボー)エントリー明けの56[守]第2回創守座には、教室から1名ずつの学衆が参加した。師範代と師範が交わし合う一座だが、その裏側には学衆たちの賑やかな世界が広がっていた。

師範の一倉弘美が俳句で用法3を語った後、師範代は本楼やブレイクアウトルームでのグループワークに散る。Zoomのメインルームに残ったオブザーブ学衆に対し、学匠の鈴木康代はチャットから声をかけた。「松尾芭蕉は編集的だと松岡校長も千夜千冊で書いていました」。『おくのほそ道』(991夜)のリンクを添えて。

・私たちは、生活のそこかしこで季節ということばを使わずに、季節の話をしていますね
・17音に気持ちやその後の世界をこめるって大変だなぁっと思っていましたが、それこそが編集
・ほそ道ですけど、こんなにも後世まで語り継がれているし、ふと道ですね

誘われるように学衆の言葉が続く。用法解説から季語や芭蕉の編集を感受した発言だ。

・自分が重きを置いて人に伝えたい!と思ったポイントに読み手の目が向くような推敲ができるようになりたい
・注意のカーソルの動かし方が同じ方向の人が、いわゆる「話しが合う人」なのかも!
・他の方に自分を超えた読みをしていただけるのは、大変うれしかったです。注意のカーソルをそうも変更できるのかぁっって

稽古や番ボーでつかんだ気づきも重なる。


続く指南ワークで題材になったのは「035番:喩のかげん」。今あることわざのモデルを使って新しいことわざをつくるお題だ。ふたたび師範代たちがワークに散った時、師範の福澤美穂子がチャットに打ち込んだ。「喩のかげんというお題があります。ことわざを作ります」。


ある学衆が口火を切った。

某薬学部では「ヤク中のジム通い」(9割サプリメントとプロテインと補中益気湯(漢方薬)で生きているのに、健康を気にしてジムには行く)という超不名誉な称号があります。

「医者の不養生」の現代版ですね。今っぽくて腹落ちします。

師範の相部礼子が応答したとたん、次々にことわざが届き始めた。「コーヒーに睡眠薬」「産んだ覚えのない長男」「研究職の神頼み」「道産子の薄着」…。

 

オブザーブ学衆は互いにこの日が初対面。しかしそれぞれの教室で同じお題に回答し続け、番ボーというアワードを乗り越えた共通感覚と一体感が、チャット欄の賑わいを生んだ。編集工学を学び更新し合い、教室模様と目指すことを誇らしげに語る師範代の姿に触れたせいでもあっただろう。
お題というきっかけがあれば、回答の花を幾重にも咲かせられる。56[守]が開講して1カ月強、学衆たちがその力を身につけていることの現われでもあった。

 

文:56[守]師範 石井梨香

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