『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
歴史はいつも編集され続ける。
日本史では、鎌倉幕府の樹立は、1192年から、1185年に、日本最古の貨幣は和同開珎から、富本銭に改められた。
猿と人と間の猿人はピテカントロプスと名付けられたが、最近では、ホモ・エレクトゥスと分類された。
イシス編集学校は、2000年、編集の実験サイト〈編集の国ISIS〉から始まった。今では、当たり前のようにある編集稽古のお題は、創世記の先達が練り上げてきたもの。編集の国と編集学校を跨いだ先達は、自らピテカントロプスを自称する。
今期、イシス編集学校の始まりを担った師範代たち<ピテカン>が、初めて[守]に入門した。自分で作ったお題に自分で回答する。そんな23年目の縫い返しに八田律師が迫った。
宮之原立久さん(51[守]カタルトシメス教室)
[守]開講時のロール名は教頭。22時に校長のディレクションがあり、それから夜明けまで編集稽古のお題を自転車操業で作っていた。
「お題を見た時に、懐かしいが新鮮な気持ちになった。自分で作ったお題に自分で回答するのだから、クオリティの高いものを提出しなければとプレッシャーが常にあった(笑)。回答の後は、師範代の指南が待ち遠しい、何が返ってくるかワクワクしていた。」
川崎隆章さん(51[守]光合成センタイ派教室)
2期[守・破]直立猿人教室 師範代。[破]の発想飛び道具を考案。
「イシス編集学校のお題には、はじめから「遊び」が含まれていた。真面目にお題を作ることだけを考えていたわけではない。師範代になった当時は、お題のCD-ROMが配布されていたが、自分には届かず、守破の全てのお題を写経するように手打ちをしていた。しかし、そのおかげで、当時と今のお題の違いがわかり進化を感じた。大収穫だった。」
山田 仁さん(51[守]森のシナプス教室)
1期[守・破]メソッド・ファンド教室 師範代。
千夜千冊の原著を1夜~1000夜のうち95%まで読破。
「イシス編集学校ができた時に双子が産まれて、10歳、15歳、20歳の時にお祝いで駆けつけ、写真付きで『インタースコア』に掲載されています。師範代のときに作った得番録が今でも受け継がれていて嬉しい。汁講を初めて企画したが、開催は他の教室が先となった。企画は自分の教室が先です。」
仁科玲子さん(51[守]シビルきびる教室)
1期[守・破]白いバイエル教室 師範代
「自分が師範代のときには、大きなmacの前に座って行ったが、今や、スマホでできる手のひらの学校になった。通勤の中でスマホで回答を書いたり、PCを使ったり。でも、鉛筆で描くこともやっぱり大事だと思う。こんなお題あったけ?と思いながらも取り組み、師範代の励ましがありがたかった。指南はまるで恋文のようでした。」
瞳を輝かせ、回答、指南の応答問感返の醍醐味を語る、ピテカントロプスたち。
先人の活躍は、『インタースコア』に詳しい。
イシス編集学校のクロニクルに、また新しい一行が加えられた。
北條玲子
編集的先達:池澤祐子師範。没頭こそが生きがい。没入こそが本懐。書道、ヨガを経て、タンゴを愛する情熱の師範。柔らかくて動じない受容力の編集ファンタジスタでもある。レコードプレイヤーを購入し、SP盤沼にダイブ中。
第一声は「黒膜衆、かっこいい!」だった。 教室名発表の際にマイクを向けられると、好奇心というエンジンを搭載した注意のカーソルのままに笑顔で語った。57[守]で師範代ロールを担う北村和喜師範代は、同時に社会人として社会にも […]
「特に勧めたことはないのだけれど」 白川番匠は、照れたように笑った。55[守]に[破]の白川番匠のお子さんがいると知ったのは、卒門も間近な時だった。 優しい語り口で学衆のみならず、師範代や師範をもホッとさせながら、ことば […]
チーム「落ちた鱗」は55[破]注目のチームだった。 この謎深いチーム名は、初めての師範ロールだが、文章力と受容力で魅了する山下雅弘師範が考えたものだ。 日々の仕事や編集の中で深めた方法を幾度ものロールの中で花開かせる二人 […]
村井宏志師範が立ち上げた感門団はイシス編集学校の名物ロールだ。感門之盟に参加した人ならば、誰でもその完成度の高さに驚く。 100人を超える7時間にうわたるイベントを狂いもなく進行し、映像、音響について松岡校長がディレクシ […]
前期、「元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた」が遊刊エディストに連載され大きな話題になった。 元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #01――かちゃかちゃ […]
コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。