56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
                                                                                
        
        
        
                        
                「EDIT TIDE」と銘打たれ、初の3日間開催となった第83回感門之盟。3日目の2024月3月23日、物語講座[遊]績了式が終わると、多読スペシャル「鴻巣友季子を読む」の読了式がはじまった。
<多読ジム>の講座ディレクターである冊匠・大音美弥子は、本楼の壇上でマイクを握るや晴れやかな笑顔を見せた。「イシス編集学校の辺境だとか最後の秘境などといわれる<多読ジム>が、感門之盟の掉尾を飾ることができて非常に誉におもいます」。読書を講座にする、それも松岡正剛の読相術を講座にするという稀代のプログラムが誕生して5年目、はじめて<多読ジム>が感門之盟の次第に加わったのだ。
1月のオープニングセッションで鴻巣さんは、「読書とは函や部屋の中に入って未知の世界へ運ばれていくこと」だと語った。ならば<多読ジム>はその函や部屋に「窓をつけ、エディティング・モデルの交換をしていく場。それによって私たちはなにを目指しているのでしょうか」と問いながら、大音は多読航海の海図を広げる。
かつて本を読むという行為は「音読」だったが、音読が絶えて「黙読」が主流となり、いまでは読書は孤独な作業になってしまった。しかし、読書を孤独にせず、一緒に読んでいこうというのが<多読ジム>のスタイル。本来は人を結ぶために物語があり、本があり、読むことによってわたしたちはさまざまな知恵を受け継いできた。
だれかと共に読む「共読」という方法によって、多読の旅は未知へと進む。さらに多読ジム特別編の「多読スペシャル」では、共読の仲間として「著者」を招き入れ、同じ船に乗ってしまうという格別の仕掛けもある。「読書は交際だ」とは校長の言葉だが、「著者」と深くお付き合いをし、著者の選んだ本を高圧に浴びて「読み」を深め、思いもよらない「作品」のアウトプットに向かう5週間。旅の終わりには、アワードの講評を直接著者から受けられるという夢のような仕立てとなっている。
これまで大澤真幸さん、村田沙耶香さん、今福龍太さんとのスペシャルな航海を経てきたが、4度目に手を組んだ鴻巣友季子さんは「著者」であると同時に多読スペシャル初の「翻訳家」でもある。イシス編集学校で「翻訳がお題になる」ということも画期的だった。
はじめて尽くしの多読スペシャル「鴻巣友季子を読む」読了式。世田谷豪徳寺の本楼とZoomでこの場に集った者たちは、このあと感門之盟という舞台に生まれるイシスのあらたな潮目(TIDE)に遭遇していった。
                            
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
母が亡くなった。子どもの頃から折り合いが悪かった母だ。あるとき知人に「お母さんって世界で一番大好きな人だよね」と言われ言葉を失ったことがある。そんなふうに思ったことは一度もない。顔を合わせばぶつかり、必要以上に口もきかず […]
申込受付中!10/26開講「山片蟠桃『夢の代』を読む」◎イシス唯一のリアル読書講座「輪読座」
イシス唯一のリアル読書講座「輪読座」。「みんなで読めば怖くない」の精神でこれまで数々の難読古典に挑戦してきました。10月26日からの新コースは、江戸後期の町人にして驚くべき大著を残した異才・山片蟠桃(やまがた・ばんとう) […]
【参加者募集】56[守]にも間に合う!10/12(日)本楼エディットツアー
アタマが固い、鈍い、動かない。もうAIには敵わない…と諦める前に、「編集術」を試してみませんか。 10/12(日)14時からの「本楼エディットツアー」では、松岡正剛の編集術を使ったいくつかの編集ワークを体験いただきます。 […]
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10匹の出世魚、ただいま誕生!55[破]出世魚教室名発表【89感門】
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2025-11-04
                                                                                56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
2025-10-29
                                                                                中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
2025-10-28
                                                                                松を食べ荒らす上に有毒なので徹底的に嫌われているマツカレハ。実は主に古い葉を食べ、地表に落とす糞が木の栄養になっている。「人間」にとっての大害虫も「地球」という舞台の上では愛おしい働き者に他ならない。