{[(ゴミムシぽいけどゴミムシではない分類群に属している)黒い星をもつテントウムシに似た種]のように見えるけど実はその偽物}ことニセクロホシテントウゴミムシダマシ。たくさんの虫且つ何者でもない虫です。
なぜサケは生まれた川がわかるのか。遥かなる外洋での旅を終えて故郷へと戻る、秋ならでのふしぎな光景だ。この秋、イシス編集学校にも驚くべき帰巣本能を持った男が現れた。
9月10日(日)、師範・小椋加奈子のナビゲートで本楼エディットツアーが開催された。前日の新井和奈ナビのツアーに続き、エディットツアー2連発の週末である。14時すこし前、豪徳寺ISIS館のガラス扉がゆっくりと開き、すらっと背の高い若者が中へ入ってきた。
「あ、Fくん!こんにちは!」
1週間前の学校説明会で、田中むつみ母さんの次男坊になった大学生だ。学校説明会のあとすぐに編集力チェックにも挑戦し、エディットツアーでみたびイシスへ。Fくんにとってイシスがホームになったのか、まるでサケの里帰りだ。
2時間のエディットツアーは愉しく終了。学校説明会・編集力チェック・エディットツアーと入門前のフルコースを味わったならば、つぎは10月開講の52[守]で編集稽古だね!とスタッフ一同、Fくんの入門を確信した。
▲本楼に浮かぶ球体『全宇宙誌』も、わずか1週間後のFくんの帰巣をお出迎え。
だがFくんは迷っていた。話を聞けば、いま大学4年生で来春からは別の大学への進学が決まっているという。この秋はその準備など予定がぎっしり。忙しいなか編集稽古をするのに不安がある。未知の扉を開ける決心がついていなかった。
そんなFくんの話にナビゲーターの小椋はじっと耳を傾けた。心理カウンセラーを生業にしているだけあって、小椋に話を聞いてもらっているとほっとしてくる。しばらくして、Fくんは小椋に質問をした。
「はじめの自己紹介のときに、舞台女優に復帰するという話をされていましたよね。まさか復帰なんてできないと思っていたのに、それが実現したのはイシス編集学校に入ったおかげだと。そこをもう少し聞かせてください」
小椋加奈子は元・舞台女優である。学生時代から演劇を学び、俳優養成所をかけもちしながら演劇の世界で生きていた。しかし子育てを機に演劇をやめた。もう自分は舞台に上がることはない、そう思い込んでいた。ところが、イシス編集学校に入ってなにかが変わりはじめる。入門当初は師範代から届くお題に回答し、指南を読んでいただけ。「編集の型」といってもピンとこない。それがいつしか「編集の型を使う」という自覚が芽生えた。身の回りのものごとを編集しはじめ、自分自身すら編集対象になっていく。気づけば、ありえないと思っていた社会人劇団から声がかかり、舞台復帰が決定。「今からでも、いくつになっても新しくなにかをはじめられるという自信がついた」。イシスに入って自身に起きた変化を振り返り、Fくんに次のように伝えた。
「編集稽古に専念できるときに受講したいという方、とても多いんです。ただ、いつまでも準備万全という日は来ないんですよね。春になったらまた何か別のことが降りかかってくるかもしれない。いつ来るかもわからない万全の日を待つよりも、やりたいと思ったならやってみたほうがいい。編集を意識すると、冒険的なわたしが動き出して【未知】へ飛び込んでいくのが愉しくなりますよ」
▲仕事、子育て、イシス編集学校での師範やナビゲーター…さまざまなロールを担いながら、1年後の公演に向けて演劇の稽古を再開した小椋。仕事をしながら役者自身も戯曲の制作に加わるという新しいスタイルに挑戦するため、長い準備期間をかけているという。「できない、やれない、ありえない。【ない】から編集が動き、私の人生が加速している」。
エディットツアー後もしばらく本楼に残り、はじめて出会う本、松岡校長の書、こっそり置かれたセイゴオ人形、とつぎつぎにスマホのカメラを向けていたFくん。満足気な表情で本楼をあとにした。次男坊は果たして52[守]に入門するのか。ほんとうの旅はここからだ。
▲1週間前の学校説明会の様子を描いた遊刊エディストの記事を見せると、驚いた顔を見せつつも嬉しそうに読んでくれた。ちなみに、むつみ一家のお父さんは52[守]入門を決めました。
第52期[守]基本コースは絶賛お申込み受付中!2023年10月15日(日)申込み〆切、詳細はこちらから▼
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
本楼に中3男子が現れた。テーブルにつくとかぶっていた黒いキャップを脇へ置き、きりっとした表情を見せる。隣に母親が座った。母は数年前にイシス編集学校の存在を知り、興味を持ちながらもイベント参加にはなかなか勇気が出なかった。 […]
先月、目の前に1冊の本が落ちてきた。部屋に積まれた本の小山から飛び出したのは、松岡正剛校長の著書『17歳のための世界と日本の見方』(春秋社)だ。それからというもの、SNSでイシス編集学校の宣伝を見かけることが急に増え、勢 […]
11/23(日)14~15時:ファン待望の「ほんのれんラジオ」公開生トークイベント開催!【別典祭】
本の市場、本の劇場、本の祭典、開幕! 豪徳寺・ISIS館本楼にて11月23日、24日、本の風が起こる<別典祭>(べってんさい)。 松岡正剛、曰く「本は歴史であって盗賊だ。本は友人で、宿敵で、恋人である。本は逆上にも共感に […]
母が亡くなった。子どもの頃から折り合いが悪かった母だ。あるとき知人に「お母さんって世界で一番大好きな人だよね」と言われ言葉を失ったことがある。そんなふうに思ったことは一度もない。顔を合わせばぶつかり、必要以上に口もきかず […]
申込受付中!10/26開講「山片蟠桃『夢の代』を読む」◎イシス唯一のリアル読書講座「輪読座」
イシス唯一のリアル読書講座「輪読座」。「みんなで読めば怖くない」の精神でこれまで数々の難読古典に挑戦してきました。10月26日からの新コースは、江戸後期の町人にして驚くべき大著を残した異才・山片蟠桃(やまがた・ばんとう) […]
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2025-12-02
{[(ゴミムシぽいけどゴミムシではない分類群に属している)黒い星をもつテントウムシに似た種]のように見えるけど実はその偽物}ことニセクロホシテントウゴミムシダマシ。たくさんの虫且つ何者でもない虫です。
2025-11-27
マンガに限った話ではないが、「バカ」をめでる文化というものがある。
猪突猛進型の「バカ」が暴走するマンガといえば、この作品。市川マサ「バカビリーバー」。とにかく、あまりにもバカすぎて爽快。
https://yanmaga.jp/comics/
2025-11-25
道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。