自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
「いいかい、これは歴史と地理の辞典だよ」。宮澤賢治『銀河鉄道の夜』の一節だ。
未知奥連の弦主・森由佳がイシス編集学校に入門したきっかけは『情報の歴史』(松岡正剛、編集工学研究所、NTT出版)だった。ふっと谺(こだま)する「あのやさしいセロのような声」に慄いた。
エディットツアーに乗り込んだ12名の参加者は、仙台のイメージをマネージしていく稽古に挑んだ。伊達な都会の風景は星の数ほどある。みたての座、じとずの座、夏の編集大三角形、次々と生まれるイシス流星群。
新たな星座の生誕に場が湧き立つ。星影に映したのは、誇らしい広瀬川と、懐かしい路面電車と、要らない原発だった。
『銀河鉄道の夜』は「ほんとうのさいわい」を探し求める物語である。やにわに参加者一堂にとっての「やさしいセロのような声」が響く。
エピローグは森弦主の一声がやんわりと場内を包みこんだ。心に稽古の充実、口にまめいちの「言玉」、そして片手に44[守]の割引優待券を握りしめて、ジョバンニとカンパネルラのように、ゆくゆくエディット・オデッセイへ。
齋藤シゲノリ
編集的先達:三沢光晴。編工研での日雇いバイトがきっかけで”編集”に出会う。漫画『キン肉マン』を編集的聖典と呼び、編集学校イベントではプロレスTシャツで登場。学衆が師範代を娶る逆イシス婚を寝技で決めた。妻は納富師範代。
1mm粒のリミックスがP1を制す。第3回P1グランプリ【78感門】
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。