外国語から日本語への「翻訳」もあれば、小説からマンガへの「翻案」もある。翻案とはこうやるのだ!というお手本のような作品が川勝徳重『瘦我慢の説』。
藤枝静男のマイナー小説を見事にマンガ化。オードリー・ヘプバーンみたいなヒロインがいい。
かさねて、あわせて、きめる。
着物にまつわる仕草はことごとく、[守]で遊ぶ編集的方法だ。
システムエンジニアにして着物エディターである
イシス編集学校師範の森山智子が、
和装に忍んだシステム編集をひもとく。
帯揚げが方向舵とは、どういうことなのでしょう?例えば、紺地の着物をイメージしてみましょう。ターコイズブルーの、小花のような柄が入っているアンティーク。ここに銀×黒の市松の名古屋帯ときたら、やっぱりどうしてもターコイズブルー色の帯揚げが欲しい。それも縮緬の……。
どれだけ面積が小さくとも、同色の帯揚げを合わせたとたん、着物の柄の中からその色がぐっと引き立ってくる。「今日の主役は、ターコイズブルー!」まるでスポットライトを当てたかのようです。因みにこの時の帯締めはさらに一歩おさえて、黒がいいでしょう。
一方、帯揚げの色を、紺とターコイズブルーの中間の青(例えばマリンブルー)にすると、紺とターコーズブルーの二色がリンクして、青色のグラデーション(匂い)が引き立つ装いになります。濁りのない青色なら、さらに「小粋さ」をも醸し出して……。この時の帯締めは着物に含まれる他の色にもよりますが、同系統の艶のある紺ならば、大人の可愛さが際立つはず。
帯揚げは、着物姿全体のパワーバランスを調整する大切な舵。帯揚げの色を意識するだけで、着物の各モジュールが主役になったり背景になったり、変幻自在のコーディネイトが楽しめるんです。
小粋にも、華にも、粋にも、自在に編集して、多様性を大いに楽しみましょう。
◆地と図【じとず】
あらゆる情報は、なにがしかの「分母(=地)」の
上に乗っている「分子(=図)」と見なすことができる。
学生時代までモテていた男が急にモテなくなったのは、
「分母(=地)」が「結婚相手」に
いつの間にかすり替わったからかもしれない。
編集術では、「地」を動かすことで「図」の
見え方を変えようと企むことが多いが、
ここでの森山の編集は、帯揚げという「図」から
「地」(=着物姿の全体像)の見栄えを動かそうという
デリケートでパワフルなテクニックだ。
森山智子
編集的先達:和泉式部。SE時代にシステムと着物は似ていることに気づき開眼。迷彩柄の帯にブーツを合わせる、洋服生地を帯に仕立てる等、大胆な着こなしをはんなり決める。イシスにも森山ファンは数多い。
2025年春から多読アレゴリアの「着物コンパ倶楽部」を主宰。
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コメント
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2025-12-25
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2025-12-23
3Dアートで二重になった翅を描き出しているオオトモエは、どんな他者に、何を伝えようとしているのだろう。ロジカルに考えてもちっともわからないので、イシスなみなさま、柔らか発想で謎を解きほぐしてください。
2025-12-16
巣の入口に集結して、何やら相談中のニホンミツバチたち。言葉はなくても、ダンスや触れ合いやそれに基づく現場探索の積み重ねによって、短時間で最良の意思決定に辿り着く。人間はどこで間違ってしまったのだろう。